受験生を持つ保護者としての経験を通じて、同じ境遇の皆さんの役に少しでも立つようなお話ができればと思います。ただし難しいことは書きません、というか書けません。どこの家庭にもある、だけど家族にとっては大切な出来事やひとときを、気の向くまま書いていこうと思います。皆さんも肩の力を抜いて読んでいただければと思います。
受験まで1年切ったところで娘の恋の始まり
再三このコラムでも書いていますが、我が家には娘が2人おりまして。
2024年5月現在、長女が中3、次女が小4であります。
長女は高校受験のために小6から学習塾に通い始め、本番まであと1年。
最終コーナーに差し掛かったところで、なんと、恋の始まりであります。
3年次のクラス替えで同級生になったT君。バスケ部の部長で、学級委員をしている娘とは同じ責任ある立場同士意気投合したようです。夜な夜な、「友達とLINE電話するから」と自室のドアの鍵を閉めているけれど、実は相手はT君だということは、父はとっくのとうにお見通しなのだよ。
ついには、本人から「気になる男子がいる」とカミングアウト。
もちろん、そんなに深刻な雰囲気ではなく、夕飯の時に、
「ちょっと気になる男子がいるんだよね〜」と、
軽いノリで話してくれました。
我が家では夕飯の時間をとても大事にしていて、
(とはいっても塾が忙しいので週に1回、日曜日だけですが)
その時だけはテレビもスマホも禁止で、唯一音楽だけ流して、外食しているような雰囲気を作って、家族との会話を楽しむようにしています。
その時に気をつけているのが、親の意見を押し付けないこと。
ついつい、「それはさ〜」とか「どうせあれだよ」とか言いがちだったのですが、
ある時、気づいたのです。
娘には娘の考えがある。
こちらは良かれと思ってアドバイスしていますが、それはある意味、失敗の経験を奪ってることになるのでは?と思ったのです。
失敗も経験。
失敗から学ぶのは大事。
なので、それ以降は、
「へ〜」とか「そうなんだ〜」と、親戚のおじさんくらいの距離感で話すようにしたら、
向こうから進んで話してくれるようになりました。
今回みたいに、本人にとって嬉しいことは、やはり誰かに話したいのです。
まあ、ここまで来るまでにけっこう余計な口を挟んで険悪な雰囲気になったのですけどね。
初めての映画デートの感想は?
さて、今度、その彼と二人で映画を見に行くという。
え、もう二人で映画!?
いや、正直に言ってくれるのは嬉しいし、好きな男子の一人や二人(二人いたらまずいか)いるのは当たり前。
だけどね。なぜ今のタイミングなのかね。
恋の病は医者の薬でも草津の湯でも治らないほど強力であるとは昔からの例え。
勉強が手につかなくなるのではないだろうか?
心配はこれです。
恋に夢中になるのは結構。
でも、なぜ今なわけ?
そう思ってしまうのは、受験生の親なら理解してくれるでしょう。
もし、本番直前に破局でもしたら……。
そんな心配をよそに、いよいよ映画デートの日を迎えたのです。
作品は中高生に大人気のスポーツアニメ映画。
夕方前には上映が終わるので、その後にお茶して帰ってくるとのことでした。
ちなみに、その時のお茶代をいくら持っていくかと娘から相談を受けました。お互いに申告し合うのだそう。たぶん、金額は相手の親にも筒抜け。あまり多すぎると見栄を張っていると思われそうだし、かといって少なすぎてもセコイと思われそう。早くも相手の親との駆け引きスタートです。
結局2,000円にしましたが、果たして正解だったのかは分かりません。お茶代なら十分だし、もし足りなかったら電子マネーで送ればいいし。
まあ、便利な時代になりました。
さて、そろそろ帰って来てもいい頃。しかし、なかなか玄関チャイムが鳴りません。
内心気を揉みながらさらに待つこと1時間。
いよいよ夕食の時間という頃、ようやく姫のご帰還です。
親としてはせめて受験が終わるまで
「もう、最高!」
開口一番、娘が発した言葉です。
最高なのが映画の内容だけでないことは明らかです。
食事をしながら、娘は待ち合わせから別れるまでの一部始終を楽しげに語ってくれました。
「へ〜」
「そうなんだ!」
理解あるおじさんスタンスはかろうじてキープ。
詳細は差し控えますが、中学3年生の男子の割には「けっこう男気あるじゃん」という印象でした。例えば、映画は娘がリクエストした作品だったのですが、実はその彼は、数日後に同じ映画を男友達と観る約束をしていたのです。つまり、2回観ることを承知で、娘のリクエストを受け入れてくれたんですね。
それを聞いて、不覚にも
「いいやつじゃん!」
と思ってしまいました。
これは本気の恋愛に発展してしまうかも?
つい動揺して、理解あるおじさんスタンスは崩壊。
「他の女の子にもそうなんじゃないの?」
父親として憎まれ口を叩いてしまいました。
ま、受験シーズンに向けて、不確定要素の多い毎日を、どう過ごしていくか。
モチベーションを維持していくか。
結局は、さまざまな出来事をプラスにとらえていくしかないのでしょう。
長女の恋も、うまくモチベーション維持に役立ててほしい。
せめて今のよい関係が、受験が終わるまで続いてくれることを祈っています。
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とんび
ライター
中学生と小学生の2人の娘、妻と都内に暮らすライター兼ライターズオフィス経営者。取材で有名大学や一流企業に訪れると、「うちの子もこんなところで……」と妄想を膨らませる今日この頃。上の娘は某有名学習塾に通学中。下の娘も姉の影響で近所の個別指導塾に通い始めたところ。子供たちの塾通いが家の暮らしの中心となっている。ちなみに似顔絵イラストは上の娘が小5の時に描いてくれたもの。
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