娘の恋バナがまさかの急展開! 身につけさせるべきは「自己肯定感」

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受験生を持つ保護者としての経験を通じて、同じ境遇の皆さんの役に少しでも立つようなお話ができればと思います。ただし難しいことは書きません、というか書けません。どこの家庭にもある、だけど家族にとっては大切な出来事やひとときを、気の向くまま書いていこうと思います。皆さんも肩の力を抜いて読んでいただければと思います。

娘と彼氏が二人で映画、その後……

娘に彼氏ができたと、このエッセイで書いたのは、今年5月のことでした。

(記事リンク)

#14受験生のモチベーションを維持するには?まさかの恋の始まりに親はどうする!?

二人で映画を見に行き、その男気あふれる行動に内心(いいやつじゃん!)と思いつつ、

「他の女の子にもそうなんじゃないの?」

と憎まれ口を叩いたところまでお話ししました。

憎まれ口を叩いたのは、父親としての抵抗感というか、娘の幸せそうな恋バナを素直に受け止められない心情があったから。でも、本当は、娘には幸せになってほしい。中三で初めて彼氏ができたからといって、幸せがどうのこうのと言うのは大げさかもしれませんが、

父親はいつだって娘の幸せを祈ってる。

これであります。
最近は、SNSのショート動画で流れてくる某ガス会社の、娘が嫁ぐCMが妙に目に沁みる……。

ところがそれから2ヶ月も経たないうちに、娘の恋バナが急展開。
結論から言うと破局してしまったのですが、その終わり方がなんとも釈然としないものでした。

寝ても覚めても返事が来ない!

二人で映画に行った翌日から、娘の彼に対する入れ込み具合はますますヒートアップ。
しかし、それとは反比例して、彼氏からの連絡はそっけないものになっていきました。

「また今日もLINEに返事がない……」

浮かない顔でため息をつく娘。
勉強机に向かうより、ソファでスマホの画面とにらめっこする時間のほうが増えていきました。

「部活が忙しいからじゃない?」(私)
「受験勉強で忙しい娘に気をつかってくれているよ」(妻)
「新しい彼女ができたとか?」(下の娘)

週に一度の家族の夕食の席では、皆の憶測が飛び交うようになりました。

たまに連絡が来ても「うん」とか「そうなんだ」とか、そっけない一言。
学校でも目を合わせてくれない。
毎日何をやっているのかは、彼のSNSの投稿で知るしかありませんでした。
(今って中学生でも普通にインスタやってるのね)

そんなモヤモヤした日々が半月も続いたでしょうか。
さすがにしびれを切らした娘は、大胆な行動に出ます。

「明日、体育館裏に呼び出して、話を聞く」

それを日曜の夜、彼氏にLINEしたのです。

すると……。

まさかの裏切り! そしてテストで1位!?

「明日、会えない?」

娘のメッセージに、返ってきた返事は次のようなものでした。

「会わないとダメ?」

混乱する娘。それでも冷静に、

「会って話がしたい」

「……ごめん、実は別の子と付き合ってる」

ガビーン!
まさかの二股。
娘はショックのあまり、その場で泣き崩れてしまいました。

それから1時間以上、娘は泣き続けました。
漢字2文字で表すなら、まさに「号泣」。
人間、本当に悲しい時は、シクシクではなく、
「えーん!」
とマンガみたいに泣くんだということを初めて知りました。

小さい時からおとなしく、中学生になっても優等生タイプだった娘の、こんなにも激しく感情を表す姿は見るのも初めて。
親としては、黙って見守るしかありません。

泣き疲れたのか、いつしかそのままソファで爆睡。
しかし、翌日はよりによって塾のテスト。
点数が悪いと下のクラスに落ちてしまいます。
小6からずっと上のクラスをキープしてきましたが、今回ばかりは陥落やむなしか。

ところが、フタを開けてみると、3教科すべてのテストでクラス1位。
これまで中の下の順位だったので、まさかの大躍進です。
もちろん1位は初めて。

一体、何が起こったのか? 

ハガネの自己肯定感で失恋を乗り越える!

「いや、むかつき過ぎて、勉強で見返してやろうと思ったら、めっちゃ集中できた」

怒りのパワー、恐るべし!

それにしても、気持ちの切り替えの速さというか、めげないメンタルの強さというか。

そういえば、フラれてからずっと、

「大丈夫、私はかわいい、勉強だってできる、男なんて地球上に35億人いる」

と、呪文のように唱えてたっけ(笑)

それにしても、こんなに短期間で開き直って、テストの成績まで上げるだなんて。
そのモチベーションの秘訣を娘に聞いてみると、

「だって私、自己肯定感、鬼強いから。そんなふうに育ててくれたママとパパに感謝だよ」

その言葉に、思わずウルッ。

そう、自己肯定感って、いざという時、メンタル崩壊を防いでくれる。
どん底まで落ちたとしても、這い上がる力を与えてくれる。

子供をいくら守ろうと思っても、24時間一緒にいれるわけもない。
有害な情報や悪意のある人間を近づけないなんて無理。
だから、そうした様々なストレスやトラブルに見舞われても、強く立ち向かえるハガネの自己肯定感を身につけさせることが、現代社会においては、親が子供にしてあげられる最大限のことなんじゃないか?

某カリスマプロレスラーの決めゼリフじゃないけど、

自己肯定感があれば何でもできる!
みなさん、自分を愛してますか!

そう思いました。

受験本番まで残り8ヶ月。
ある意味、いいタイミングで破局を迎えることができました。
涙の夜以降、人が変わったように、毎晩勉強机に向かっています。

ありがとう。

たぶん会うことはないけれど、T君には感謝の気持ちを伝えたいです。

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とんび

ライター

中学生と小学生の2人の娘、妻と都内に暮らすライター兼ライターズオフィス経営者。取材で有名大学や一流企業に訪れると、「うちの子もこんなところで……」と妄想を膨らませる今日この頃。上の娘は某有名学習塾に通学中。下の娘も姉の影響で近所の個別指導塾に通い始めたところ。子供たちの塾通いが家の暮らしの中心となっている。ちなみに似顔絵イラストは上の娘が小5の時に描いてくれたもの。

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