スマホ動画とゲーム、まさか子どもたちとの新しい対話のきっかけになるなんて!

スマホ ゲーム

受験生を持つ保護者としての経験を通じて、同じ境遇の皆さんの役に少しでも立つようなお話ができればと思います。ただし難しいことは書きません、というか書けません。どこの家庭にもある、だけど家族にとっては大切な出来事やひとときを、気の向くまま書いていこうと思います。皆さんも肩の力を抜いて読んでいただければと思います。

スマホ動画やゲームとの付き合い方

「ただいま~」

娘が帰ってくるなり、リュックやランドセルを放り出してスマホに飛びつく姿を見て、またため息をつく私。この光景、きっと多くの家庭でも見られるのではないでしょうか。

中学3年生の上の娘は YouTubeを見始め、小学5年生の下の娘はゲームアプリを起動させます。そして、夕食の時間まで、まるで魂を吸い取られたかのように画面に釘付けになるのです。

正直なところ、「その熱中ぶりを勉強に向けてくれたら…」と思わずにはいられません。でも、自分が子どもの頃を思い出すと、そんな大人の願いなど、さらさら頭になかったなあ、と苦笑してしまいます。

かといって、スマホやゲームに一切触れさせないというやり方には抵抗があります。その代わりになる何かが必要になりますからね。塾? 習い事? レジャー体験? どれも悪くはありませんが、お金がかかるし、送迎やつきそいなど親の手間も時間もかかります。

ふと気づくと、私たち親がスマホ動画やゲームに頼っているのかもしれません。子どもたちが静かに過ごしてくれる時間は、私たちにとっても貴重な自由時間。罪悪感を抱きつつも、ついつい黙認してしまうのです。

これまで私は、せめてスマホ動画やゲームに向き合う時間を管理するしかないと考えていました。そこには「スマホ動画やゲームは悪」という大前提があったからです。でも最近、少し考えが変わってきたんです。

学びと集中力向上につながる?

ある日、中3の娘がスマホを見ながら熱心にメモを取っている姿を目にしました。ちらりと覗いてみると、それは歴史や時事ネタをイラストでわかりやすく解説する動画でした。

私も一緒に見てみましたが、世界史の中でも特に複雑な第一次世界大戦から第二次世界大戦、そして戦後への流れについて、身近な人間関係に例えて分かりやすく、かつテンポのよい数分の動画で解説していました。

娘はこの動画を中間テストの前に見て、社会で良い成績を収めたそうです。教科書で学んだ知識を体系的に捉えることができたようですね。

一方、小5の娘は「プロセカ」という音ゲーにハマっています。最初は「またゲームか」とがっかりしましたが、よく観察してみると、このゲームは集中力を養うのに役立ちそうだと気づきました。

画面上を流れてくるアイコンに合わせて、指を素早く正確に動かす必要があるのですが、これはいわゆる脳トレになると思いました。また、経験や技術を習得すればするほど得点が上がり、ランクが少しずつ上がっていくのは達成感を得ることにもつながっているようです。

本当は勉強やスポーツで、こうした感覚を味わってほしいのですが、それは理想論かもしれません。ゲームでもなんでもいいから、何か一つのことに集中して取り組み、頑張ればレベルが上がっていって、目標を達成すれば嬉しいという感覚を味わってもらうことは大切だと思うのです。

実際、プロセカをやるために、あれだけ苦手だった早起きもできるようになり、宿題も忘れて(これはダメですがw)何時間も集中してこなすようになりました。この集中力がいつか勉強や自分のやりたいことを見つけた時に役立ってくれればいいなと思います。

大事なのは家族共通の話題にすること

さらに我が家では、スマホ動画やゲームについて、食事の時に話すことにしました。「どんな動画を見てるの?」「どんなゲームなの?」と関心を示すようにしています。

時には一緒に見たり、プレイしてみたりすることもあります。その時の子どもたちの生き生きした目といったら! 自分の好きなものに関心を持ってもらい、それについて説明することはやはり嬉しいのでしょう。親にとっても子どもとの会話の種が生まれるのはありがたいことです。

先日も、9月1日に、子どもと関東大震災の話になりました。中3の娘はちょうどテスト勉強をしていた範囲。小5の娘はスマホのショート動画でちょうど見たばかりだというのです。どこでどんなことが起こったのか、どんな被害があったのか、私は持てるすべての知識を披露して、子どもたちは、自分なりの感想を話してくれました。とても盛り上がりましたね。

別にこの会話のおかげで、すぐに勉強好きになるとは思いません。しかし、日常生活と学ぶことの境界線を薄くすることはできるのではないでしょうか?

食事をしたり、お風呂に入ったりするのと同じレベル感で、いろいろな知識を得る、それについて考える、語り合うということが習慣になれば、それは悪いことではないと思います。

ただし問題は、親にもそれなりの知識が必要だということ。それこそ、子どもたちが見ている歴史解説動画で予習をしなければいけないかもしれませんね。

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とんび

ライター

中学生と小学生の2人の娘、妻と都内に暮らすライター兼ライターズオフィス経営者。取材で有名大学や一流企業に訪れると、「うちの子もこんなところで……」と妄想を膨らませる今日この頃。上の娘は某有名学習塾に通学中。下の娘も姉の影響で近所の個別指導塾に通い始めたところ。子供たちの塾通いが家の暮らしの中心となっている。ちなみに似顔絵イラストは上の娘が小5の時に描いてくれたもの。

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