高校生の就職支援の現場から!「やりたいことを見つけられない」子どもたちへの関わり方

高校生 就職

みらぴかサポーターの吉野です。私は高校生のキャリア支援のプロとして普段から高校で就職したい高校生向けの面談を行っています。

就職活動を数か月後に控えた高校3年生の春、進路希望調査の紙が学校から届きます。しかし、頭を悩ませるのはいよいよ3年生になったのに、いまだに「やりたいことが分からない」と言っているわが子の言葉。自分の将来なのに真剣に向き合っているとは思えない…(ため息)。そんな保護者の方も少なくないようです。

「うちの子はのんびりしているけど大丈夫かしら?」
「このまま就職が決まらずに卒業してしまったらどうしよう?」

お子さんから真剣さが伝わってこなかったり、努力している様子が見られなかったりすると、心配になってしまいますよね。

このコラムでは、これまで私が高校支援の現場で見てきたことや、就職先選びに悩む子どもたちへの関わり方をご紹介します。

なぜ、やりたいことが見つからないのか?

私自身、多くの高校生の就職支援に携わってきた中で痛感するのは、高卒就職を希望する生徒の中には、「やりたいことが分からない」という子が少なくないということです。
その理由として、本当はやりたいことがあったけど諦めざるを得ない状況だったり、進学の意欲が湧かなかったため就職を選択したということもありますが、今の高校生を取り巻く社会の状況が大きく影響していると感じています。

かつては、いい学校に行って、いい会社に入って、出世することが成功だと言われていた時代がありました。しかし今は、時代が変わって、幸せは人それぞれで違うものであり、「職業や肩書きや高所得であること=幸せ」とは限らない時代に変わってきました。

また、高校生までの学校生活の中で、社会を知る機会が少ないことで、職業に対するイメージがついていない子も多いです。SNS等で情報をたくさん見ることはできますが、良いところのみ切り取られていたり、逆にマイナス面のみにフォーカスされていたり、何が正解なのかが分からなくなってしまう場合もあります。そのまま進路選択、就職活動を迎えてしまうことも少なくないでしょう。このような状況の中で、「やりたいこと」を見つけることは、お子さまにとってきっと簡単なことではないはずです。

悩んでいる子どもたちに向けた3つのサポート

では、こういった状況の中でどのように関われば良いでしょうか?私が考えるサポートは大きく3つです。

①安心して相談できる環境を作る
一人で悩んでいるよりも、誰かに話を聞いてもらうことで視野が広がることはよくあります。親に相談するのは照れ臭いと感じる子たちも少なくないです。そんな時は親戚や身近な先輩など、相談に乗る人が誰かいることで、前進することがよくあります。

②専門家の力を借りる
学校に就職支援担当者がいれば、面談をしてもらうように促したり、相談できる場を利用することは非常に有効です。
専門家は、それぞれの個性や興味関心、適性などを客観的に分析し、具体的なアドバイスをしてくれるでしょう。

③企業についてアドバイスをする
一緒に企業情報の冊子を見たり、インターネットで企業情報を検索してみたり、企業の情報を伝えることで、知らなかった知識を得ることができます。多くの生徒たちが初めて行うことなので、周りの大人がサポートしてあげたいです。

私が関わってきたケース

私がこれまで支援してきた生徒たちの中にも、様々な葛藤を抱えながらも、最終的に自分の道を見つけた生徒がいます。私が対応したいくつかのケースをご紹介します。

・目指していた職業を諦めたAさん
子どもの頃から憧れの職業がありましたが、学力的に自信が持てず、諦めてしまったそうです。なぜ憧れていたのか話を聞いていくと、憧れていた職業でなくても叶えられる職業があることに気付くことができました。合同企業説明会に参加し、夢を実現できる企業と出会えました。

・進学を諦めたBさん
憧れの業界があり、進学を希望していましたが、家庭の事情で進学はNG。やりたい道に進めないことで、自分の勤められる企業であれば、どこでも良いという状態でした。なぜ志望していたのかじっくりと聞いていくと、本質的なやりたいことが見えてきました。無事に就職して今は楽しく働いているそうです。

・どうしてもやりたいことが分からないCさん
誰と面談をしても、合同企業説明会に行っても、どうしてもやりたいことが分からないCさん。面談を通して、消去法でやりたくないことを明確にしていき、できることを見つけていきました。最終的に、身近な先輩が勤めている企業を見学。非常に良いと感じ、就職先に出会えたようです。

3つのケースを紹介しましたが、周りの大人への相談や企業説明会・見学といった企業を知る機会を通じて、やりたいことが明確になっていきました。大切なのは一人で悩まず、行動を起こせるように、周りの大人が支えてあげることだと思っています。

まとめ

子どもがやりたいことが分からない状態は、親として心配に感じていると思います。しかし、決して少数派ではありません。焦らず、お子さんが一歩ずつ進んでいけるように、背中を後押ししていきましょう。そして、親は拠り所となれるよう、いつでも頼れる存在であることを伝え、どっしりと構えてあげて欲しいと思います。

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吉野陽子

みらぴか認定サポーター

大学では心理学を専攻し、卒業後は「人の成長」に関わりたいと考え都内で学習教室教室長やIT企業人事などを経験。 現在は地方移住し、高校生の就職サポートを行うキャリアコンサルタント。進路に悩む生徒たちのキャリア面談等を行う。 「やりたいことが分からない」子どもたちへ寄り添う支援を特に大事にしている。 自身も一男一女の母として、子育てに奮闘中。

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