大阪の堺東で「自立学習STATIONピース」という子どもたちが主体的に学ぶ学習塾を経営している塾長の本田貴士です。
みらぴかでは、30年個別指導をしてきた受験のプロとして、「自分の力で考える子どもの育て方」についてコラムを通してお伝えしていきたいと思います。
今回ご紹介をするのは、定期テストについてです。
定期テストのシーズンが近づくと、お子さまの学習進度や成績を心配される保護者の方も多いことでしょう。これまで私もそういったたくさんのお話を聞いてきました。
成績向上には、ただがむしゃらに勉強するだけではなく、効果的な勉強方法を取り入れることが不可欠です。本コラムでは、お子さまが定期テストで最高の結果を出すための具体的なアドバイスをお届けします。ぜひ、ご家庭での学習サポートにお役立てください。
定期テストの位置づけ
そもそも『定期テスト』とはどういう位置づけのものでしょうか。
私は学校生活とは社会に出るための準備期間だと意識しています。つまり『定期テスト』にあたるものが社会に出てから何に当たるのか、それが明確になれば子どもたちは将来どの状況で役立つのかを具体的に伝えることができるのです。
私の学習塾ピースでは『定期テスト』とは『重要な仕事の日』と伝えています。
つまり、重要な仕事で結果を上手く残そうとすれば事前の準備を周到に行う必要があります。子どもたちにとっては、『重要な仕事=勉強』であるということです
予めどの時期にどの範囲まで勉強をしておく必要があるのか。それが子どもたちにとっては『定期テスト勉強をする』ことになるのです。
試験範囲を試験日から逆算して、その日に最高の結果を出せるように準備をして臨むこと。それを繰り返していくことによって『計画を立てる』精度も上がっていくのです。
では、定期テストで最高の結果を出すために具体的にどうすればいいのかをご紹介させて頂きます。
テスト範囲を言われる前から勉強を始める
まず前提として、「同じ問題を最低3回は解くようにすること」
これを試験当日までにクリアできるように計画を立て実行することが大切です。
定期テストの場合、大概テスト終了後に先生に提出しなければいけないプリントや問題集があるはずです。まずは、それをテスト1週間前までに完成できるように進めていきます。
子どもたちに伝えると、子どもたちからは、
「テスト範囲表を配られるのがテスト1週間前だからテスト範囲はそれからでないと分からない」
という声をよく聞きます。
しかし、その発想がそもそも違います。
今勉強している単元は次のテスト範囲になることは明らかです。学校の先生がテスト範囲のことを伝えなくても、関係なくこれまで勉強している単元のプリント・問題集を進めていけばいいのです。
できるだけ勉強をしたくないという子どもたちが多いため、テスト勉強をしたくない言い訳を言っているに過ぎないのですよね。
まずはこのように発想を転換して、今日から問題集をコツコツ1ページずつ進めていくだけでも次の定期テストの成績が上がることを実現することができるのです。
そのため、保護者の皆さまは、
「定期テストはいつから始まるの?」
「今度の定期テストの範囲はどこ?」
「お母さんはテスト直前に勉強始めて大変だったから、今日学んだ範囲の問題集を1ページでも始めてみたら。」
といったような声がけをしてあげると良いのではないかと思います。
効果的な問題の解き方
問題を解くときには、各単元の基礎問題→中級問題→応用問題と解くのではなく、各単元の基礎問題だけを演習し、〇付けやり直しをきちんとして次の単元の基礎問題に進めていきます。
※〇付けの仕方はこちらをご確認ください。
プロ講師が解説!子どもの成績を上げるためのたった一つだけのコツ
基礎問題が終われば、次は中級問題に進みます。そうすることで、基礎が固まっているため、中級問題を演習する時間も短縮することができます。
この方法はどの教科でも同じです。
特に得意な科目であれば、中級問題から始めるのもいいかもしれません。
それぞれの教科の勉強方法
上記を踏まえ、それぞれの教科の勉強方法について解説していきます。
英語
前提として、英語は言葉です。言葉は使い続けることによって、身についていきます。その前提の上での勉強方法となります。
- 教科書を音読する
→まずは、文をスラスラ止まらず読めるのかが重要。 - 単語、熟語の演習をする
- 文法を理解する
そもそも教科書は、指導者が考え抜いて作った素晴らしいテキストです。そのテキストを有効利用することで学力アップへの近道になると考えています。
そのため、教科書の音読をすることで、正しい文法や正しい言葉の使い方を身に付けることができます。そこから、単語・熟語をどのように使えば相手に伝わるのかを知ることができます。
その上で、単語、熟語の演習についてですが、例えば、1~20番の単語を5回ずつ練習するとしたときピースでは以下のように伝えています。
- 1~20番の単語を1回ずつ書く。
- 1~20番の単語を2回目として1回ずつ書く。
- これを5セットする。
すると、最初の方に練習した単語に関しても、繰り返し書くことで、覚えることができるようになっていくのです。
また、文法を理解するのは、音読をしっかりとすることで基礎ができます。その上で、テストで点数を取るには、問題演習をしっかりとすることが大切です。特に、同じ問題は少なくとも3回は解くように心掛けることが重要です。
国語
英語と同様に言葉ですので、古典・漢文でも使い続けることによって身につきます。その前提の上での勉強方法となります。
- 教科書を音読する
→まずは、文をスラスラ止まらず読めるのかが重要。 - 漢字の演習をする
- 文法を理解する
具体的な方法は英語と同様です。
数学・理科
- 計算単元を素早く正確に解く
- 覚えるべき規則、法則を理解する
- フリーハンドで図形、グラフを書く
- 頭の中で考えるのではなく、全てノートに書き、頭の中を見える化して解く
「覚えるべき規則、法則を理解する」について、理解するのが難しいと感じるお子さまも多いと思います。
数学で覚えるべき規則とは公式・条件・定理です。覚えるべき公式・条件・定理はそれほどたくさんありません。大切なのは、それらの公式・条件・定理がどのようにしてできたのかを知ることです。
これは少し数学に興味のあるお子さんでないと難しいかもしれませんが、数学のすべての公式・条件・定理に関しては、照明することができます。その証明を書けるようになることが理想です。
けれども、まずは、数学という教科に興味を持てる良いのではないかと思います。例えば、なんで公式ができたのか。アインシュタイン、ニュートン、ピタゴラスなどの有名な数学者について調べてみる。「この公式って誰が考えたか知ってる?」のように保護者の皆さまから問いかけてみても良いかもしれませんよ。
社会
基本的には、自分の中でイメージし、ストーリーとして話ができるような勉強をすることが重要です。
- 歴史は。その時代を頭の中でイメージできるように、ストーリーで理解する。
- 地理は、それぞれの土地の特性を理解し、気候・地質・景観をストーリーとして理解する。
- 公民は、自分の身近な問題意識に目を向け、どのような仕組みになっているのかを理解する。
ストーリーで理解することについてもう少し詳しく説明をします。
歴史については、歴史上の人物にクローズアップして、紐解いていくことをおススメしています。
例えば、豊臣秀吉。日本人では誰もが知っている超有名人ですが、彼の生い立ちを語れる人はあまりいないのではないでしょうか。農家の家に生まれ、織田信長に仕え、天下統一を果たした。とのようなストーリーはある程度知っていたとしても、秀吉に関しての雑学を知っていたり、みんなが知らないネタを知っていること。そのように人に興味を持つことで、その人のストーリーを知ることができます。
歴史とは、大きく言えば、人間模様を知ることでないかと思っています。ですので、歴史上の人物を知るだけではなく、自分の親・おじいちゃん、おばあちゃんの生い立ちを知ることも歴史を勉強する上で、非常に役立つと思っています。
地理に関しても、全く同様です。例えば、自分の住んでいる場所、地域の歴史を知ることで、気候、地形などから、その場所の特産物、名産品などがなぜできたのかを知ることもできるのです。結局は、自分の興味のあることの「ストーリー=物語」を知ること。特に社会の学びには、それが大きく影響しているのだと感じています。
まとめ
ここまで定期テストに向け効果的な学習方法と学習サポートについて具体的なアドバイスをお伝えしました。
テスト1週間前で範囲表を配られなくも、今日学校で学んでいる単元が次の定期テストの範囲となります。まずは、今日学んだ分だけでも問題集を解いてみてはいかがでしょうか?
また、各教科の勉強方法をご紹介しましたが、前提として大切なのは自分が少しでも興味を持って取り組んでみることです。
例えば、英語という教科の勉強が嫌いな子がいましたが、その子は、洋楽が大好きでした。
洋楽から英語に触れる機会を増やし、英語を克服した子もいます。そのように、まずは自分の興味のある分野から始めてみるよう伝えてみるのも効果的です。
この記事を参考にして、お子さまの学習習慣を見直し、成績向上を目指す手助けとなれば幸いです。皆さんの成功体験のご報告をお待ちしております!
よければみなさんの素朴な疑問やお困りごとがあれば気軽に話してみてください。
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本田 貴士
関西の最大手学習塾で塾講師を務める。指導経歴は30年以上。小学生〜高校生の受験生を対象に5000名以上の子どもたちと関わる。受験指導を通し、受験がゴールになっている子ども・保護者を目の当たりにし、学習指導以上に、『何のために勉強するのか』『何のために受験するのか』『何のために仕事をするのか』『自分の人生をどう生きていくべきか』を、もっと伝えていきたいという想いから、『自立学習STATIONピース』を2020年3月設立。「また逢いたいなぁという人になろう」という教育理念の下、保護者・学生たちに寄り添いながら、彼らが自分の人生で何をしたいのかを一緒に考える場所を作っている。
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