高校でも部活を続けたい!部活を頑張りたいお子さんの進路選択とサポートについて解説!

部活 進路選択

こんにちは。みらぴか認定サポーターの榊です。
これまで30年以上、スポーツ界、特に現場で教員、コーチ、大会運営などに携わってきました。


前回のコラムでは、部活動に注力しているお子さん(以下部活生と呼びます)の勉強と部活との両立方法や保護者ができるサポートについて解説しました。


部活生も学年が進み志望校を選択する際に、「継続して部活を頑張っていくことができる学校に行きたい」と考えるお子さんは多いです。保護者としては、できるだけ希望が叶うよう応援したいと思われることでしょう。

その気持ちがある一方で、これまで私がお会いした保護者さんとお子さんの進路について話をすると、

「子どもの(部活動種目の)スキルが進学先で通用するか不安」
「強豪校での練習についていけるか不安」
「部活動をするのにお金がかかるけれど一体どれくらいかかるかわからない」
「子どもが今まであまり勉強していないから受験が不安」

など、わからないことや不安がありました。


部活生の進路選択や志望校選択は、一般的な受験生の場合に加えて特別な準備が必要となり、お子さんと十分な話し合いの上で決めていくことが重要です。

今回は、中学から高校への進路選択や志望校選択について事例などもお伝えしつつ、押さえておきたいポイントを解説します。

保護者がサポートをするときに押さえたいポイント

ポイント① 子どもの具体的な目標を聴く

最初に、お子さんの意志を尊重し、具体的な希望を聞いてみましょう。
全国大会、都道府県大会など大会出場レベルや、目標、志望校などお子さんの思いをしっかり理解しましょう。

ポイント② 部顧問・コーチ・担任教諭から客観的な意見やアドバイスをもらう

どうしても夢が先立っている時に親にとって必要なのは子供の可能性を見極めることです。
そのためには、部顧問や指導者から種目面、担任教諭から学習面などの客観的な意見をもらうようにしましょう。
子どもの可能性を信じると同時に、冷静に見ることができるのが保護者の強みです。

ポイント③ 部活動体験やオープンスクールを活用して検討する

通常の勉強と違い、子どもの練習環境は必ず見るようにしましょう。
ついつい実績に目が行きがちになると、ちょっとした違和感にも目を瞑りたくなってしまいます。
しかし、それが原因で不本意な夢の終わりを迎える子どもたちもたくさん見てきました。
「人」「設備」といったものは自分の目で確かめるようにした方が良いです。

ポイント④ 部活動にかかる費用やスポーツ推薦や奨学金の活用情報を知る

高校進学にあったって、中学よりもお金がかかる場合もあります。進学先での活動や学校生活を安心して送るために、部活動にかかる費用面についての情報収集は事前にしておきたいところです。
チームユニフォームや道具類などの費用、遠征・合宿などの費用がどれくらいかかりそうなのか、想定しておきましょう。
また、スポーツ推薦制度や奨学金制度がある場合もあるので、志望校のホームページなどから調べたり、担任教諭、進路担当教諭、現在通っている学校の顧問教諭に相談してみるのも一つです。

ポイント⑤ 部活動以外の学校生活にも着目してみる

学校生活は部活動だけではないことを意識しておくことは重要です。中には、部活動だけ頑張っていれば良いという思考のお子さんもお見かけします。
お子さんと将来のキャリアについて考えをおよばせながら、志望校の部活動以外の特色にも着目してみましょう。
学校行事、資格取得、海外研修など魅力的な事項があるかもしれません。
フレキシブルな思考で進路選択や志望校選択を検討してみましょう。

ポイント⑥ 進学後のネガティブな事項も考えておく(事前の覚悟)

目標達成に向けて、進学後のポジティブな成功イメージを描くことは大切ですが、厳しい競争や頑張っても上手くいかないことがおこることもお子さんと確認しておきましょう。
予期せぬ怪我のリスクや、思うような結果が出ないこともあるかもしれないこと。
部内の人間関係がうまくいかない場合や、学業と両立できそうかどうか。
シリアスになりすぎるのも良くないですが、事前にお子さんと話をしておくことは大切だと思います。

注意点

色々とポイントを挙げてきましたが、注意点としては、保護者が先回りせず、子ども自身が主体となり自分の進路や志望校を決められるようにサポートしていくことだと思います。

進路選択の事例

最後に私の経験を含めた事例を3つお伝えします。

事例① 私の場合(ポイント①~④が当てはまります)

中学生当時の私の希望は、バスケットボール部が全国大会出場している学校に行きたい、将来体育の教員になりたいということでした。そのため、この2つを達成できる私立A校を調べて親に伝えました。

親としては、私立大学に行きたいならば高校は公立(学費の関係)、スポーツをすることも教員になることも応援するという状況でした。

体育の成績は問題ありませんでした。(学年上位)その他受験科目含め模試の総合判定でA校は問題なし。親と話をした結果、本来第一志望としていたA高校は私立だったので滑り止めとして受験し、公立でバスケットボール競技の成績が良く(関東大会出場)家から近い公立B校を最終的に第一志望としました。

B校は、合格ラインではあったものの、担任教諭から勉強では数学、英語でもっと点がとれるようにとアドバイスを受け、その2教科の模試の点が上がるように力を入れて勉強しました。

また、その2校が不合格だった際に受皿としてもう1校体育大学付属の私立高C校も受験しました。(内部進学で体育学部に進学しやすいようにということと成績レベル的に余裕がある学校だったので学費補助特典も利用できると考えました)

結果3校ともに合格しましたが、親との約束通り公立高校に進むことにしました。しっかり事前に話をして受験したので後悔もなかったですし、大会でA校に勝てるように頑張ろうと決意をしたことを憶えています。

事例②生徒Aさんの場合(ポイント⑤・⑥が当てはまります)

Aさんの保護者から相談を受けた事例です。

Aさんは小学校からバスケットボールスクールに所属(週3回ほど練習)し、中学校から部活動と並行してバスケットボールクラブチームに所属(毎日練習)していました。

希望していた私立高校Bに合格しましたが、チームの雰囲気や練習が想像していたものと違っており、学校を休みがちになってしまいます。そのため、1年生の途中で公立校Cに転校をしました。

C校ではチームや学校にも合い主軸メンバーとして活躍。その結果、スポーツ推薦で地域大学リーグ1部(上位校)の大学に進学。スポーツ活動を生かして企業に就職し、成人してからもクラブチームで活動しています。

Aさんは強豪校で活躍したいという思いで志望校を決めましたが、実際の練習は想像以上に厳しくまたチーム内の人間関係などが上手くいかないこともあり最終的に転校することになりました。

事前の情報収取や体験などを行わず「自分なら絶対にいける」と思って進学したことを後悔していましたが、転校後は一転して明るくなり、競技でも活躍し、それを活かして就職するまでに至りました。

事例③生徒Dさんの場合(ポイント⑤・⑥が当てはまります)

Dさんは私が実際に指導をした選手です。

私(榊)が外部コーチとして指導をした生徒です。中学1年から3年引退までチーム成績は市内優勝を目指して準優勝くらいでした。(決して強豪校とはいえないチームでした。)

彼女の夢はアメリカでプロ選手になることでした。そのため、全国大会出場する私立高校Eへの進学を希望していました。

大きな夢を持っていましたが、私はコーチとして彼女に進学後E校での練習についていくのは厳しいと客観的な意見を伝え、その時点の彼女のスキルレベルで活躍できるいくつかの学校を紹介しました。しかし、Dさんは最終的にE校の推薦制度を利用し進学をします。

進学後Dさんから体調不良やケガで練習になかなか参加できず相談が何度もありました。そして、チームのコーチと相談してプレイヤーからマネージャーとしてチームを支える側になることになりました。

マネージャーになったことがきっかけとなり、在学中に将来アスリートを支えるトレーナーになろうと決意。1年生の頃は何度も泣きながら電話をしてきたものですが、コーチやチームメイトにも恵まれ、徐々にその回数も減って成長し、最後は笑顔で卒業しました。

高校卒業後は専門学校に進学。理学療法士、柔道整復師など資格を取得し念願のトレーナーとなり病院に就職します。アスリートのサポートに従事し、その後もアメリカへ研修に行ったりと更なる研鑽を積んでいます。

まとめ

部活動に全力で取り組むお子さんの進路選択は、一般的な受験の場合に加えて特別な準備が必要です。子どもの夢や目標をかなえる応援をしたい保護者にとって、受験は子どもとともに乗り越える貴重な機会となります。

子どもの意志を尊重し、保護者側の話も率直に伝えて話し合い、最終的に子どもの選択に寄り添い応援していきましょう。
このコラムのポイントや注意点、事例を参考にしていただければ幸いです。

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榊 公美子

みらぴか認定サポーター

中学、高校、大学、クラブチーム、シニアチームとバスケットボール選手として活動。
体育教師、クラブチームコーチと指導する側から競技団体(バスケットボール協会)で大会運営や指導者養成など多岐に渡る職業を経験。現在は、バスケットボールの普及活動やアスリートのサポート事業などを行う。育成年代の選手達が、スポーツでの経験を通じて成長し、大人になってもスポーツの良さを次の世代に伝えていくことができる環境づくりを目指している。

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