受験生を持つ保護者としての経験を通じて、同じ境遇の皆さんの役に少しでも立つようなお話ができればと思います。ただし難しいことは書きません、というか書けません。どこの家庭にもある、だけど家族にとっては大切な出来事やひとときを、気の向くまま書いていこうと思います。皆さんも肩の力を抜いて読んでいただければと思います。
四六時中デジタルデバイスを手放さない下の娘
思春期の下の娘(小4)がいわゆるデジタルデバイス中毒です。
スマホ、タブレット、ゲーム機、これらどれかを常に触っています。
本当はご飯の時くらい使わないでほしいのですが、私も妻も朝食を取らないことや、上の娘(中3)の塾の都合などで、平日の食事は個別に取っているので、下の娘にとってご飯のお供はネット動画です。
コレ、子育てで一番ダメなパターンなのでしょうが、毎食一緒にご飯食べるとか、実際難しくないですか?小学校も高学年になると遊びや塾や習い事で忙しいし、すぐお腹すかせるし、こっちも仕事があるし。家族そろって食事するって、実はすごく貴重なイベントなんだなって思います。
なお、タブレットは私の仕事用を私が家にいる間だけ使えるので、下の娘は一時期私が起きる前に起きて、動画や音ゲーを楽しんでいました。早起きするのはいいのですが、5時とか、下手をすると4時に起きて、夜明け前の薄暗いリビングで、それこそ取り憑かれたようにタブレットに夢中。あげく、登校時には疲れ果て、ランドセルを背負いながら生あくび……。
学校でもボーっとして、食欲もわかず、給食も食べられなくなったため、タブレットの稼働時間を翌朝の6時に設定しました。その結果、異常な早起きはおさまりましたが、やっぱり毎朝6時になると布団からモゾモゾと這い出して……そこまでしてやりたいんか!と呆れるとともに、中毒というだけのことはあるなと妙に納得。デジタルコンテンツが脳に与える刺激って、相当なものなんですね。
生活習慣の乱れ以上に心配なのが、考え方や行動への悪影響です。下の娘はいま関西系の女性ユーチューバーにハマっていて、最近自分のことを「うち」と言ったり、「なめとんか!」「どついたろか!」と叫んだり、エセ関西人化しています。本人は半ばフザけてやっているのでしょうが、事情を知らない友達や大人が聞いたら、何だコイツ? と思ってしまうでしょう。何よりインチキ関西弁をドヤ顔で話す娘の姿が寒すぎて、いつもさぶイボが出ています。
受験期にスマホは取り上げるべき?
上の娘(中3)も、下の娘ほどではないですが、スマホ中毒です。朝食時や勉強の休憩時間にショート動画をずっと見ています。毎晩遅くまで勉強しているので、多少の息抜きは多めに見てやりたいのですが、たまに勉強机に向かいながらスマホをいじっているので、本当に勉強してるのかと疑ってしまいます。友達とのLINEもしょっちゅうです。
そんな上の娘も、さすがに受験まで8ヶ月を切って焦り出したのか、あるグッズを買ってきました。透明なケースに電卓のような数字のキーが付いていて、そこにスマホを入れてロックすると、決めた時間まで開かなくなるというものです。
なるほど、面白いものがあるものだなと感心。それだけ、デジタルデトックスに悩む人が多い証拠なのでしょう。確かに、一度設定してしまえばケースを壊さない限り開かないようになっています。単純な仕組みながら効果抜群。しばらくは順調にスマホをプラスチックの牢屋に監禁できていましたが、最近はケースに入れること自体止めてしまいました。このグッズの弱点。それは、自ら進んでスマホを使えなくしようという、強い意志が必要なこと……。
だからといって、親が取り上げたり、預かったりするのは筋が違うような気がします。スマホを使って調べ物をすることもあるでしょうし、使いたい!という気持ちを克服しない限り、結局スマホが気になって勉強に集中できないはずだからです。世の中には他にも誘惑がたくさんあり、それらを全て遠ざけるわけにはいかないわけですから、この機会に自制心を獲得してもえたらと願っています。
どんな距離感でつきあうべきか
そもそも親もデジタル中毒のきらいがあります。妻なんて、家にいる間はほとんどスマホでお気に入りの飲んだくれユーチューバーの動画や動物の癒し動画を見ているし、私も仕事がら常にパソコンの画面とにらめっこしています。さらに私は昭和生まれなので、いつもテレビを点けっぱなしにしています。それは、子ども達から見るとテレビ依存症に見えるでしょう。どっちもどっちだなと、最近では思っています。
ネット上の有害情報やSNSいじめ、デジタルタトゥーなど、子どもに関するデジタルトラブルは枚挙にいとまがありません。そもそも子どもには何歳からスマホを与えるべきかという問題もありますが、前記した通り、親が一生懸命遠ざけようとしても、子どもは絶対に抜け道を探し出しますし、ゲーム機で普通にユーチューブが観られるのですから、スマホのペアレンツコントロールなんて、ほとんど無意味です。
どうせ、完全に遮断できないのなら、むしろプライバシーに関与できるくらい小さい時からスマホに触れさせて、親の監視のもとでネットリテラシーを学ばせようというのが昔からの我が家の方針です。上の娘は成功したと思いますが、下の娘は、あまりにもアクセスできるネットコンテンツが膨大かつ多種多様になり、お手上げ状態です。
繰り返しになりますが、完全にデジタルデバイスの使用を制限することはできません。下手に押さえつけてしまうと、むしろ欲望が増殖して、一層のめり込んでしまうのは、下の娘の“朝4時起床”で証明済みです。ほどよい距離をとって、健全にデジタル情報に触れてほしいのですが、さて、“ほどよい距離”とはどれくらいか……。
むしろ、デジタルデバイスを親子の接点にするのもいいのかなと、最近は開き直っています。例えば、娘たちの好きなユーチューバーをチェックして、「あの動画おもしろいよね」と話しかけるようにしてみたのです。すると、自分が良いと思っているものを評価されるは嬉しいのでしょう。二人とも嬉しそうな顔で、そのユーチューバーがいかに面白いか、どれくらい人気なのかについて話してくれるようになりました。
正直、話の内容は馬耳東風ですが、会話してくれるだけマシと、受験期と思春期の娘を持つ父親としては思ってしまいます。まあ、これも一つの距離の取り方なのかもしれませんね。
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とんび
ライター
中学生と小学生の2人の娘、妻と都内に暮らすライター兼ライターズオフィス経営者。取材で有名大学や一流企業に訪れると、「うちの子もこんなところで……」と妄想を膨らませる今日この頃。上の娘は某有名学習塾に通学中。下の娘も姉の影響で近所の個別指導塾に通い始めたところ。子供たちの塾通いが家の暮らしの中心となっている。ちなみに似顔絵イラストは上の娘が小5の時に描いてくれたもの。
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