子育てアカデミー

不登校 ひきこもり

不登校専門心理カウンセラーの田中勝悟です。
不登校の子を持つ保護者様を中心にカウンセリングをしております。

そういった仕事をしているので、いろんな方から不登校の相談を引き受けるのですが、話を聞いていると、不登校とひきこもりを混同されている方がとても多いそうです。

不登校とひきこもりの違いって何でしょうか?

と聞くと、多くの方が「え?同じじゃないの?」と逆に聞かれます。

以前、ひきこもりの講演会の依頼を受けたときに、「私は不登校の専門家なんですが・・・」と伝えると、「え?同じじゃないんですか?」と返されました。

相手はひきこもり相談に関わっている方だったのですが、そうした専門家でもあまり違いを意識されていないようでした。

もちろん、不登校とひきこもりの支援の仕方については似通っている部分もあります。

どちらも支援のゴールは、将来幸せに生きていく力、ある程度周りには頼ってもいいけど、自分らしく生きるための収入を得て、自立できる力を得ることです。

でも、全く同じじゃないんですよね。

じゃあ、何が違うのでしょうか?

一つ一つ整理していきましょう。

まずどちらも同じなのは、国が作った名称だということです。
でも管轄が異なります。

不登校は文部科学省が定義しています。
一方で、ひきこもりは厚生労働省です。

そして、不登校は文科省(2003)「不登校の現状に関する認識(不登校への対応について)」という文書の中で次のように定義されています。

「不登校児童生徒」とは「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」
引用:文科省「不登校の現状に関する認識(不登校への対応について)」

一方でひきこもりは厚生労働省が作成した「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」に中で次のように定義されています。

ひきこもりとは「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学,非常勤職を含む就労,家庭外での交遊など)を回避し,原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念」
引用:厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」

ちょっと難しいですね。

分かりやすく言えば、
不登校とは病気や経済的な原因がないのに、学校を30日以上欠席した人。
ひきこもりとは、社会的な参加をしないで、6か月以上家の中で過ごしている状態。

と言えます。

で、ここからが大事な話ですが、不登校もひきこもりも、あくまで状態を示すだけの用語だと言ことです。

そこに良い・悪い、何らかの心理的な問題があるとかは含まれていません。

もちろん、不登校もひきこもりも、背景に知的障害や発達障害、精神疾患などが隠れているケースもあります。
また深刻ないじめや体罰、虐待やDVが原因であるケースもあります。

でも、本来の定義にはそこまでは含まれていないのが実情です。

ちなみにひきこもりの定義には「実際には確定診断がなされる前の統合失調症が含まれている可能性は低くないことに留意すべきである」と但し書きがあります。

ここでは難しい定義を覚えてもらいたいわけではありませんので、ひきこもりは外に出ないで他人とも交流しない状態が6ヵ月続いていることと覚えておいてもらえたらと思います。

ちなみに、不登校の子の中には元気に外出している子もいます。
私のケースでは学校に行っていないのに、放課後は友達と元気に思いっきり遊んでいる不登校の子もいましたし、オンラインで海外の人とやり取りをしている子もいました。
また、普通に繁華街に買い物に出かける子もいます。週に1回、教育支援センターやフリースクールに行く子もいます。

こういう子の場合は、ひきこもっているとは言いません。

一方で、家族とも交流はなく、ずっと部屋に閉じこもっている状態の不登校の子もいます。食事も家族とは取らず、部屋から一歩もできず、またお風呂にも入らない状態の子もいます。お母さんに聞くと「ここ一年程、子どもとの会話は全くない状態です」と言われるケースもあります。
また、家族以外の人と全くコミュニケーションを取っていないし、外に出ている姿を見たことがない子もいます。

この場合は、ひきこもりと呼ばれている状態です。

そのため、不登校の子の一部がひきこもりと呼ばれる状態となっていると言えます。

ここまでのまとめとして、
不登校は学校に行っていない状態、ひきこもりは人とのコミュニケーションを絶ち部屋から出ていない状態です。

そして、不登校の子で、ひきこもらない子もいれば、ひきこもり状態となってしまう子がいるということです。

じゃあ、なぜ不登校からひきこもる子がいる一方で、社会参加が出て切る不登校の子がいるのでしょうか?

この辺りは次の記事「なぜ不登校からひきこもる子がいるの?3つの原因を知れば対応が見えてくる」でお話したいと思います。

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田中 勝悟

みらぴか認定サポーター
大学院卒業後、スクールカウンセラー、心療内科、児童相談所、貧困層の就労支援のアドバイザーなど多くの領域で経験を積む。その傍ら2019年4月に「カウンセリングルームはぴっと」を開設。またオンラインスクール「不登校の親の学び場」を開講。5,000件を超える豊富な臨床経験から適切な助言を行うことで多くの親の共感を得る。また、エニアグラムを活用した見立て力の高さには多くの支援者から定評がある。著書に「不登校はチャンス」がある。

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