まさか、うちの子が不登校!?その時親はどう対応する?

不登校 中学生

受験生を持つ保護者としての経験を通じて、同じ境遇の皆さんの役に少しでも立つようなお話しができればと思います。ただし難しいことは書きません、というか書けません。どこの家庭にもある、だけど家族にとっては大切な出来事やひとときを、気の向くまま書いていこうと思います。皆さんも肩の力を抜いて読んでいただければと思います。

不登校29万人のリアル

それは突然やってきました。

まさか、うちの子が不登校だなんて。

異変に気づいたのは、日曜日の夜。

下の娘(小3)が布団の中でシクシクと泣いているのです。

聞けば、クラスの女の子に、「邪魔」とか「あっち行け」とか乱暴なことを言われ、学校に行くのが怖いとのこと。

突然と書きましたが、実は数週間前から、日曜日の夜にトイレにこもることが増えていました。その時は食べ過ぎかと思っていたのですが……。

ふと、数日前に読んだ新聞の見出しが脳裏に浮かびました。

「不登校29万人、いじめ68万件 文科省調査で過去最多」

文部科学省の2022年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」で、〈全国の小中学校で不登校だった児童生徒が過去最多の29万9048人と21年度から22.1%増えた〉そうです。今年度も同じような数だとすれば、うちの子は29万分の1人というわけですね。

さらに、こんなことも書かれていました。

〈小中高校などで認知したいじめも過去最多の68万1948件で、21年度から10.8%増えた。〉

いじめ……。

さすがにこの言葉はエグい。

いつも明るく、友達も多い(中2の姉に言わせるとパリピ)な下の娘に限って……。

しかし、そう思い込んでいるのは親だけかもしれません。

日曜日の夕方になるとうつっぽい気分になるサザエさん症候群は昔からよく聞かれますが、それを「気持ちの問題!」と一笑に付せて済んだのは平成の時代まで。

とりあえず、明日の朝起きてみて、行きたくなければ学校休んでいいから……。

そう慰めて、その夜はとりあえず床に着かせたのです。

起きたらすっかりいつも通りの娘に戻っているのではないかと期待して。

しかしその期待は見事に外れました。

通学時間になっても一向に布団から出ようとしません。
妻は出勤しなければなりませんが、私は幸いにもその週は外取材がなく、家にいることができます。
約束通り、学校を休ませることにしました。

娘と二人だけの昼下がりのひと時

結論から言うと、その一週間、丸っと学校を休みました。
コロナ禍のおかげでオンラインでも授業を受けることができるようになっていたのは皮肉です。ただし、教科書は学校にあるので(教科書を学校に置いておく、いわゆる“置き勉”が認められたばかり)、手ぶらで授業を聞くだけというのは、かなり苦痛のようでした。

それでも、ダイニングテーブルを挟み、パソコンを向かい合わせながら、娘と一日過ごすという経験はなかなか無いこと。パソコンを通して、先生のしゃがれた声や男子の騒がしい様子などが伝わってきて、「普段こんな感じで勉強してるんだ……」と新しい発見もありました。

そして、給食の時間に合わせて、二人でランチ。妻がいる時には話さないような学校での出来事や友達の話などを、事細かに聞くことができました。

これはこれで、よい時間だな……。そんなふうに思いながら過ごしたのです。

事態が転換したのは金曜日の朝。
担任の先生から、娘あてに電話がありました。
実は、学校を休んだ初日から、私の方から連絡し、状況を説明しておいたのです。

担任の先生によれば、いじめの事実は認識できていないが、注意して見るようにすると約束してくれました。そして、「最近は学活でも積極的に発言するようになったし、男子に嫌なことをされても直接私に報告してくれるようになっていたので、意外……」ということも言われました。とりあえず娘のことは見てくれていると一安心。その上で、「今週いっぱい様子を見ましょう」と打ち合わせておいたのです。

そして金曜日の朝。先生からの電話を下の娘につなぐと、「はい、はい……」と、一丁前に敬語で話す娘。こんな姿も新鮮でした。

携帯電話から漏れてくる先生の声。

「月曜には学校に来られる?」

「はい」

よっしゃ!──思わず心の中でガッツポーズ。

たまたまインフルエンザの流行期で、オンラインで授業を受けているクラスメートがほかにたくさんいたことも、娘の心理的ハードルを下げたと思います。

好転のきっかけとして考えられる三つの理由

土日は、クラスメートが持ってきてくれた一週間分の宿題をこなすのに大変な様子でしたが、月曜日の朝はいつも通り、元気よく登校。以降、それは続いています。

あの一週間は何だったのだろうか……。
何はともあれ、よかったよかった。

事態が好転した理由として考えられるのは三つです。

一つは、一週間休んだことが息抜きになったということ。振り返れば、コロナ災禍の最中に小学校に入学し、クラスメートとは常にマスク越しの対面。それが、突然ノーマスクになり、顔をすべてさらけ出して会話することがストレスになったことは容易に想像できます。それが無意識に蓄積され、オーバーフローしてしまったのではないか。それがこの一週間休んだことでクールダウンしたという仮説です。

二つ目は、この夏から参加し始めた地域のスポーツサークルの影響です。ご近所の大人と子供が入り混じって汗を流すだけのゆる〜い集まりなのですが、ほかの学校の同学年児童や、中学生のお姉さんやお兄さん、そして若者からシニアまで幅広い世代の大人たちとの交流が、娘の視野を広げてくれたのではないか。つまり、自分の居場所は学校以外にもあるという事実を知るだけでも、心の風通しはずいぶん良くなるはずだからです。いわゆるサードスペースというやつですね。大人にも居酒屋など、職場や家庭以外の場所が必要だと言われています。(だからといって、毎晩入り浸っていては、第3の場所にはならないので要注意!)

さて、改めて思ったのは、「不登校」ってイメージが良く無い言葉だな、ということ。

もちろん小学校は義務教育なので、学校に通うことはデフォルトなのですが、だからといって登校しないとダメだとか、落ちこぼれみたいに思う風潮ってどうなん?と思います。

実は今回の一件で、下の子の中学受験を真剣に考えるようになりました。

学力面や金銭面などハードルはたくさんありますが、比較的早い段階で気づけたのは不幸中の幸いかもしれません。もちろん、私立に行けば問題がすべて解決するわけではないでしょうが、それでも何もしないよりはきっとマシ。

今時は中学受験も特別なことではないようで、公立学校の卒業生の進路に関する、東京都教育委員会 令和4年度「公立学校統計調査報告書」によれば〈今年の春、都内の公立小学校を卒業し、都内の私立中学に進学した割合は19・81%〉と、2割近くが中学受験組だそう。

義務教育だからといって、地元の公立学校に通わせることだけが選択肢の時代ではなくなりつつあるようです。親も考え方を“アプデ”することが必要なようです。

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とんび

ライター

中学生と小学生の2人の娘、妻と都内に暮らすライター兼ライターズオフィス経営者。取材で有名大学や一流企業に訪れると、「うちの子もこんなところで……」と妄想を膨らませる今日この頃。上の娘は某有名学習塾に通学中。下の娘も姉の影響で近所の個別指導塾に通い始めたところ。子供たちの塾通いが家の暮らしの中心となっている。ちなみに似顔絵イラストは上の娘が小5の時に描いてくれたもの。

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