こんにちは、子育て中ライターの水無瀬あずさです!
入学・進級シーズンになると、保護者の間では「PTA役員どうする・・・?」なんて話がちらほら聞こえてきます。学校や地域によってルールはさまざまながら、「我が子も関わることだし」と思うとなかなか無視もしにくいのがPTA。仕事をしている保護者のなかには、スケジュール調整に頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。そこでふと思ったんです、「そもそもPTAってナニモノ?」って。当たり前のように存在しているけれど、どういう経緯で始まったんだろう?考え始めたら、気になって仕方ありません。そこで今回は、PTAという組織の仕組みや歴史、活動内容について詳しく調べてみました!
そもそもPTAってどんな組織?
PTAはParents(保護者) Teacher(先生) Association(組織)の略で、子どもの健やかな成長をはかる目的で保護者と教職者によって構成される自主組織による社会教育団体です。
PTAは法律として明確に規定されていませんが、昭和42年(1967)年に行われた文部省(現在の文部科学省)社会教育審議会の「父母と先生の会のあり方について」の報告の中で、PTAの目的と性格について
「児童生徒の健全な成長をはかることを目的とし、親と教師とが協力して、学校および家庭における教育に関し、理解を深め、その教育の振興につとめ、さらに、児童生徒の校外における生活の指導、地域における教育環境の改善、充実をはかるための会員相互の学習その他必要な活動を行う団体である」
と定義しています。
「父母と先生の会のあり方について」によると、PTAの目的は「児童生徒の健全な成長をはかる」ことにあり、この目的を実現するために、
- 学校および家庭における教育の理解とその振興
- 児童生徒の校外における生活の指導
- 地域における教育環境の改善
などの促進に必要な諸活動を行うとしています。
PTAにはどんな歴史があるの?
PTAの始まりは、工業化や都市化が急速に進んでいた19世紀末のアメリカでした。
アリス・マクレラン・バーニーとフィービー・アパーソン・ハーストは、教育・健康・安全面においてすべての子どもたちの生活を改善することを使命とし、1897年2月17日に「全国母親協議会」(National Congress of Mothers)を発足しました。その後、参加対象を父親と教師にも広げつつ組織の拡充をはかり、1924年に新たな名称の「全国父母教師協議会」(National Congress of Parents and Teachers)が発足。これが現在のPTAの母体とされています。
アメリカでは、最初の会議が開催された2月17日はファウンダーズデー(創設者の日)とされており、PTAとPTSA(Parent Teacher Student Association)によってお祝いされるんだそうです。「さすが本場!」って感じですね!
日本のPTAの歴史は?
日本のPTAは、GHQによる戦後の教育改革の一環として始まりました。
昭和21(1946)年、GHQが文部省社会教育局にアメリカのPTA資料を提示し、日本でもPTA設置を推奨します。これを受けて文部省は「父母と先生の会~教育民主化のために~」というPTA設置の手引き書を作成して全国都道府県知事宛に送達、PTAは各地域で急速に組織化がはかられていきました。
その後、昭和25年1月には小学校で93%、中学校で89%、高校で81%の学校にPTAが組織され、その範囲は全国へ広がっていきました。
PTAってどんな活動をしているの?
PTAは教職員と保護者が自主的に組織・運営している任意団体です。このためPTA活動を規定する法的制約などはなく、自らが制定した規約(会則)に基づき、それぞれの学校に必要な活動が行われています。
PTA活動の一例をあげると、
- イベントや講演会の企画・開催
- 廃品や書き損じハガキの回収
- ベルマーク集め
- カーテン洗濯
- 白衣修繕
- 通学路の整備
- 登下校の見守り活動(旗振りなど)
- 清掃美化運動
- あいさつ運動
- 緊急避難場所「子ども110番の家」の設置
などがあります。
お子さんの学校のPTAでどのような活動が行われているか、皆さんもぜひこの機会に調べてみてくださいね。ちなみに私は先日、下校時の旗振り当番だったことをキレイさっぱり忘れており、登校班の班長さんに平謝りしました。仕事をしていると忘れちゃうんですよね・・・気をつけねば!
小学校のPTAでは通学路の安全指導も重要
とくに小学校のPTA活動では、登下校や通学路の安全確保に気を配るところが多いように感じます。小学校低学年の子どもの中には交通ルールをしっかり分かっていない子もいるため、PTAでしっかり見守り活動などを行う必要があるのでしょう。
私の息子が通う小学校では、通学路の安全に関して一年に一度「スクールゾーン協議会」というのが開催されています。PTAと地域の自治会、区役所、土木事務所、警察署などが集まり、通学路(スクールゾーン)の危険箇所を洗い出し、改善について話し合う場です。私も実際に参加する機会があったのですが、たとえば
「横断歩道の白線が消えかけているので直してほしい」
「飛び出しが多いので足元に注意マークを入れてほしい」
「道路に『スクールゾーン』の表記を入れて運転手に注意喚起をしてほしい」
などの要望があげられていました。通学路に当たり前のように書かれた注意書きは、こういう見えないところの活動の生かなんだなという新鮮な驚きがありました。
文科省が推進する「学校運営協議会」とは?
PTAによく似た性質を持つ組織として、文部科学省が推進している「学校運営協議会」をご存じでしょうか?
学校運営協議会は、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づいて、教育委員会の指定する学校ごとに設置される機関です。文部科学省の推進している「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」の中核をなす取り組みであり、学校やPTAと地域の住民が参加し、子どもたちの成長と学びを地域ぐるみで支えていくことを目的としています。
PTAは教職者と保護者で組織されるものですが、学校運営協議会は地域住民も参加します。学校・家庭・地域が連携することで、子どもたちにより良い教育環境づくりが実現するというわけです。このような取り組みが、今後さらに広がっていくと良いですね。
まとめ|学校・家庭・地域みんなで子どもの成長を見守っていこう
今回調べてみて、PTAって子どもたちの健やかな成長を地域ぐるみで担っている「縁の下の力持ち」なんだと感じました。「目立たないけど、ちゃんと支えているよ」―そんな優しいメッセージが、子どもたちにちゃんと伝わっていればいいなあと思います。子どもたちの健やかな成長と笑顔を見守るため、学校・家庭・地域みんなで手を取り合って協力していけたらステキですね。
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水無瀬 あずさ
ライター
黄色い電気ネズミとビールをこよなく愛するシステムエンジニア兼ライター。「どんなことでも全力で楽しむ!」をモットーに、反抗期真っ盛りの息子2人と全力で向き合っています。PTA役員などボランティア活動に積極的に参加し、学校や家庭における教育の在り方を模索中です。ゲームが趣味ながら、最近画面酔いがひどくて長時間できなくなったのが悩みのタネ。
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