ゲーム依存になる理由とその原因とは? 不登校からひきこもった子の支援(5)

不登校 ゲーム

不登校専門心理カウンセラーの田中勝悟です。

今回は不登校やひきこもりでよく見られる「ゲーム依存」について、お話をしたいと思います。

ちなみに、私のカウンセリングルームでは、「子どもがずっとゲームばかりしていて本当に悩んでいます」という相談も多々見られます。

ただ、お母さんがカウンセリングを受けられて、お子さんの理解が深まっていくと、自然とお子さんのゲームをする時間が減っていきます。

そのためには、まずは「なぜ子どもがゲームに没頭するのか」ということを理解していくということが大切です。

この記事ではそのことについてお話させていただきますね。

ゲーム依存とはどんな状態?

ゲーム依存については、2013年にアメリカ精神医学会により「インターネット・ゲーム障害」という診断が作られています。

DSM-5という精神科医療でも使われる診断基準によれば、インターネット・ゲーム障害は以下の基準に沿って診断されます。

臨床的に意味のある機能障害や苦痛を引き起こす持続的かつ反復的な、しばしば他のプレイヤーとともにゲームをするためのインターネットの使用で、以下の5つ(またはそれ以上)が、12カ月の期間内のどこかで起こることによって示される。

  1. インターネットゲームへのとらわれ
  2. インターネットゲームが取り去られた際の離脱症状
  3. 耐性、すなわちインターネットゲームに費やす時間が増大していくことの必要性。
  4. インターネットゲームにかかわることを制御する試みの不成功があること。
  5. インターネットゲームの結果として生じる、インターネットゲーム以外の過去の趣味や娯楽への興味の喪失。
  6. 心理社会的な問題を知っているにもかかわらず、過度にインターネットゲームの使用を続ける。
  7. 家族、治療者、または他者に対して、インターネットゲームの使用の程度について嘘をついたことがある。
  8. 否定的な気分(例:無力感、罪責感、不安)を避けるため、あるいは和らげるためにインターネットゲームを使用する。
  9. インターネットゲームへの参加のために、大事な交友関係、仕事、教育や雇用の機会を危うくした、または失ったことがある。

要は、
①インターネット・ゲームに関する行動(頻度、開始・終了時間、内容など)がコントロールできない
②インターネット・ゲーム優先の生活となり、それ以外の楽しみや日常行う責任のあることに使う時間が減る
③インターネット・ゲームにより個人、家族、社会、教育、職業やそのほかの重要な機能分野において著しい問題を引き起こしているにもかかわらずゲームがやめられない

こうした状態が12か月以上続くと、インターネット・ゲーム障害として診断されます。
なお、WHOも2019年に「ゲーム障害」という診断名を採択しており、ゲーム依存についての関心も年々高まっているように感じられます。

ゲーム依存は不登校の原因になる?

最近は不登校の子でゲームばかりしていることが多いので、ゲーム依存が不登校の原因ではないかと考えてしまう方も結構おられます。

この辺りについては、私は「ちょっと違うかな?」と思います。

というのも、不登校の子どもたちの多くは、学校に行けなくなった後にゲームに没頭する傾向にあります。

つまり、不登校になった後にゲーム依存になる子が多いのです。

もし、ゲーム依存が不登校の原因であれば、ゲームがやめられなくなってしまい、その結果学校に行くことができなくなってしまうということになります。

もちろん、そうしたケースもありますが、多くの子は不登校になった後にゲームに没頭するということを考えると、それが不登校の原因であるとは言えないのです。

また、不登校のメカニズムを理解すると、ゲーム依存はまた違った形で見えてきます。

次に、「ゲーム依存になる子どもの心理状態」についてお話していきます。

不登校の子どもの心理状態とゲーム依存

まず、不登校になる子の多くは、学校の環境になじめていないことにストレスを感じていることです。

学校というのは嫌なことがあっても周りと上手に合わせることが必要とされます。
また、集団活動なので、学校が決めたスケジュールや枠組みに合わせないといけません。

そうした中で、息切れを起こしてしまう子がいるんですよね。

そうなると、家でゲームに没頭して頭を真っ白にすることで、心を回復しようとします。

それでも心の回復が追い付かず、やがて心が疲れ切った状態になり、学校に行けなくなります

その時に子どもたちが考えるのは、

「よっしゃ、不登校の内にゲームをたくさんするぞ!!」

ではありません!!

「このままの状態が続くと自分はもう社会で生きていけないのではないか」という不安です。

じゃあ、学校に行ったらいいのにと言われると、「それができないから苦しいのに」と彼らは思います。

このままじゃダメだとわかっているのに、でもどうしていいかわからない葛藤。

そうしたことをずっと考え続けると、
長年不登校でひきこもった子は、心が壊れてしまい、その回復に時間がかかるケースも少なくないです。

でも、そこまで行くといよいよ自分がダメになってくるので、何とかして自分を守ろうとします。

その一つの手段がゲームに没頭するなのです。

実は心を守るための行動だった

つまり、子ども達は壊れてしまいそうな心を守るために、ゲーム依存の状態になっているのです。

この視点はしっかりと覚えておいて下さい。

事実、不登校の子の多くは、「あの時ゲームに没頭することができたから自分を保てることができた」と言っています。

こうしたゲーム依存の裏側にあるものをしっかりと理解していくことが、最も大事な事なのです。

その後で、どう関わっていくか、どうサポートしていけばいいかを考えていきましょう。

次回は、そうしたゲーム依存から脱却するためのヒントについてお話したいと思います。

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田中 勝悟

みらぴか認定サポーター

大学院卒業後、スクールカウンセラー、心療内科、児童相談所、貧困層の就労支援のアドバイザーなど多くの領域で経験を積む。その傍ら2019年4月に「カウンセリングルームはぴっと」を開設。またオンラインスクール「不登校の親の学び場」を開講。5,000件を超える豊富な臨床経験から適切な助言を行うことで多くの親の共感を得る。また、エニアグラムを活用した見立て力の高さには多くの支援者から定評がある。著書に「不登校はチャンス」がある。

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