こんにちは、子育て中ライターの水無瀬あずさです。
我が子2人は中学生、いわゆる反抗期のお年頃。人の言うことに耳を貸さなかったり、いかにも反抗的な態度をしてきたりする様子を見て、「ああ私にもそんな時期があったなあ」と懐かしく思い出します。
中学生に訪れる反抗期(第二反抗期)は、大人としての自我を確立し、成長していく大切な時期。分かっちゃいるけど、親だって人間ですからね、どうにもイライラして大きな声を出してしまうことだってあります。
そこで今回は、「中学生の子どもへの叱り方」について考えてみたいと思います。子どもに怒りすぎて自己嫌悪に陥っている保護者の皆さん、この記事を読んで、反抗期の子どもに対する向き合い方を一緒に考えていきましょう。
「怒る」と「叱る」は違う!
そもそも「怒る」と「叱る」は別のものです。「怒る」は、感情を表す「喜怒哀楽」に含まれるように、感情を相手にぶつけることを言います。これに対して「叱る」は、理性に基づいて相手にアドバイスすることです。
子どもの成長を助けるためには、「怒る」ではなく「叱る」必要があります。むしろ、感情的に怒りをぶつけることは、反抗期に一番避けたほうがいい𠮟り方と言えるでしょう。
親から感情的な怒りをぶつけられた子どもは、通常よりも反発心や抵抗感を抱きやすくなります。人間は怒りをぶつけられた時、その内容よりも、感情の強さに反応してしまう傾向があるからです。
また子どもに対して感情的に怒った後、親は「また怒ってしまった・・・」と自己嫌悪で落ち込んだり、自分を責めてしまったりするでしょう。感情的になることは、親自身の自己肯定感も下げてしまうのです。
こんな叱り方はNG!
子どもだって一人の人間です。親がどんなにイライラしていたとしても、やってはいけないこと、言ってはいけないことがあります。ここでは、子どもを正しい方向へ導けない、NGの叱り方についてご紹介します。
誰かと比較する
反抗期の子どもに対して、「○○ちゃんはできるのに、なぜあなたはできないの?」のような叱り方はNGです。他の子と比較して子どもを貶めることは、子どもの自己肯定感を低下させ、深い心の傷を与えてしまう可能性があります。
我が家の次男は非常にマイペースで、見ていてイライラすることもしばしば。ついつい「お兄ちゃんはちゃんとやってるのに!」と怒ってしまうことがあり、そのたびに反省しています。すごく悲しそうな顔をするんですよね・・・。
隣の芝生は青いので、周りを見て「どうしてうちの子は・・・」となってしまいがち。でも考えてみれば、大人だって誰かと比較されるのは気持ちの良いことじゃありませんよね。子どもに無力感や劣等感を植え付けてしまう恐れがあるので、言わないように注意しましょう。
人格を否定する
子どもの悪い部分だけを上げつらね、人格を否定してしまう叱り方は、自尊心や自己肯定感、前向きな態度を低下させます。また、人格を否定され続けた子どもは、叱られることに敏感になり、失敗を極端に恐れるようになってしまいます。
そもそも人格を否定されることは、子どものみならず大人でも傷つくもの。イライラするあまりつい口をついて出たその言葉に、子どもは深く傷ついているかもしれません。
子ども、大人に関係なく、自分が言われて傷つくことは、どんな場面でも言わないように心がけたいですね。
威圧感や恐怖感を与える
「宿題をしなければゲームを取り上げるよ!」といった叱り方は、子どもに威圧感や恐怖感を与えるだけで、心からの反省や改善にはつながりません。親としては叱咤激励のつもりでも、子どもは「親に信用されていない」と感じ、不信感や反感を生む原因になってしまうでしょう。
中学生は自立心が芽生え始める時期なので、上から目線で命令される、無理やり押し付けられるといったことを極端に嫌がります。叱る際には子どもの自立心を妨げることなく、対等の立場に立って話し合うことが大切です。
こうしてみよう!上手に叱るための5つのアドバイス
ここでは、反抗期の子どもを上手に叱るためのアドバイスをご紹介します。まずは一つずつ、できるところから始めてみましょう。
「ひとりの人間」として対等に接してみよう
中学生は、大人と子どもの狭間にある微妙な時期だと思います。子ども扱いされると怒るけど、大人扱いされるとしり込みしてしまう・・・そんな厄介なお年頃。
でも子どものためを思って叱るときは、対等の立場で話すことが望ましいと私は思います。同じ一人の人間として、何が正しいか、正しくないかを明確にすることが大事です。
私は子どものころ、父親から「子どもは親の言うことを聞くものだ」と言われ、叱られても反抗することさえ許されない時期がありました。それって子どもからしたら悲しいし、悔しいし、堪らない気持ちになるんです。
善悪の判断に「大人だから」「子どもだから」は関係ありません。色眼鏡は外して、お互いただ一人の人間として話し合ってみましょう。
子どもと目を合わせて、対面で話そう
目を合わせて対面で話すことは、子どもに対して真摯に向き合っている姿勢を見せるという意味でとても重要です。
テレビやスマホを見ながら、あるいは違う作業をしながら叱っても、子どもの心には響かないでしょう。むしろ「なんだ、割とどうでもいい話題っぽいな」と判断されてしまい、聞くことさえしてくれないかもしれません。
いつもはにこやかなお母さんが、真剣な表情で、真正面からこちらを見て話すからこそ、子どもは「あれ?いつもと何か違うぞ」とこちらに耳を傾けてくれるのだと思います。
子どもの意見にしっかり耳を傾けよう
頭に血が上っていると、子どもが言うことに対して「うるさーい!」と遮りたくなるのですが、そこはグッと我慢。子どもの意見を最後まで聞き、尊重することはとても大切です。
私も、子どもが自分の意見と違うことを言っているとすぐに遮ってしまうクセがあるのですが、そのたびに夫から注意されています。もし何か言いたいことがあったとしても、まずは子どもの意見に耳を傾け、話を最後まで聞くことを心がけましょう。子どもの気持ちを尊重することが、正しい叱り方への第一歩です。
親としての意見をはっきり伝えよう
子どもの意見をしっかりと受け止めたうえで、親として言うべきこともはっきり言いましょう。子どもに変に気を遣って言葉を濁してしまうと、親の気持ちは子どもに伝わりません。
親として意見を伝えるうえで大切なのは、「あなたのためを思って言っているのだ」という心を分かってもらうことです。叱っているのは親の感情論ではなく、あくまでも子どもの未来にとって良くないからであることを伝えましょう。
たとえば我が家では、長男が夜遅くまでスマホで動画を見ていたので叱ったことがありました。そのときは、「楽しいのは分かるけど、暗いところでスマホを見続けていると、目がさらに悪くなるよ。それに、寝るのが遅くなって朝起きられないよね?」のような感じで叱りました。
言われたほうの長男は、ちょっと不満げではありましたが、「・・・確かに。わかった」と、珍しく反抗してこなかったんです。叱られたこと自体には不満はあるものの、言われた内容には一理あると感じてくれたのだと思います。
感情的になったときは、いったん深呼吸
親だって人間なので、どうにもこうにも怒りが収まらないことだってあります。感情的になるのは悪いことではないですが、まずはいったん深呼吸してみましょう。怒りの感情は瞬間的なものなので、一呼吸入れるだけで心が少し落ち着くかもしれません。
私の持っている幼児向けの育児書には、感情的にならずに叱る方法として「抱っこして、あるいは手をつないで叱る」と書いてあります。感情的になっている人は、自分が感情的になっていることに気づけない。それを確認するために、子どもに直接触れながら叱ると良いという考え方です。要はスキンシップをすることで冷静になれというわけですね。
中学生を相手に、抱っこや手をつなぐなんてことは難しいでしょう。ただ、どうしても感情的になってしまったときには、ちょっと子どもの肩に手を置いてみるとか、頭をぽんぽんしてみるとか、できるならやってみましょう。子どもの戸惑う反応を見て、意外と冷静になれるかもしれませんよ。
まとめ
反抗期の中学生への叱り方についていろいろとご紹介しましたが、要は「自分が言われたりやられて嫌なことは、子どもにもしない」っていうことに尽きると思います。「子どもだから」と意見を切り捨てることなく、子どもをまるごと受け止めてあげることを心がけたいですね。感情的に、冷静にと言われても、「イライラするものはどうしようもないし」となかなか難しいものですが、無理のない範囲で、まずはできるところから少しずつ始めてみましょう。
水無瀬 あずさ
ライター
黄色い電気ネズミとビールをこよなく愛するシステムエンジニア兼ライター。「どんなことでも全力で楽しむ!」をモットーに、反抗期真っ盛りの息子2人と全力で向き合っています。PTA役員などボランティア活動に積極的に参加し、学校や家庭における教育の在り方を模索中です。ゲームが趣味ながら、最近画面酔いがひどくて長時間できなくなったのが悩みのタネ。
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