子育てアカデミー

中学生 高校生 子ども

こんにちは。みらぴか認定サポーターの佐々木です。私は25年間、中高一貫の女子校で教員をしていました。今回は、「中高生になったときに起きる子どもの変化」をテーマに書いていこうと思います。

中学生というのは子どもの成長にとって変化が生まれやすい時期です。反抗期になり、急に何を考えているのかわからないなどの悩みも出てきますよね。今回は、そんな悩みが少しでも楽になるように、反抗の背景にある成長の過程について解説します。

中高時代は子どもから大人へ移り変わる時期

中高6年間は、生徒たちが大きく変化する時期で、ご家庭でも対応に苦慮する場面が数多くあることでしょう。一方で私は小さかったお子様が、大変身して素敵な女性になってゆく様子をなん度も見てきました。さらに、10年以上経ってから「卒業生の成長した姿」というプレゼントもあったりします。教員をしていてなんと幸せなことかと思っていました。

最初にお伝えしておきたいのは、子どもたちは反抗期を経て必ず変化し、成長してゆきます。まずは子どもたちの状況を理解しましょう。子どもたちの行動や言葉の背景がわかるとことで、子育てのストレスも少なくなるはずです。

中高時代は身体が変化する「成長スパート」の時代

*人生の中で身長が大きく伸びる時期は2回あります。1回目は赤ちゃんの時(第一次性徴)。2回目の急激な成長が「成長スパート」(第二次性徴)です。女子は11歳ごろ、男子が13歳ごろでこの頃に成長のピークを迎えます。成長はピークから2~3年続き、成人身長に達するまで平均女子で25cm、男子で30cm伸びることになります。

こうした変化は、性ホルモンなどの内分泌系の様々な活動によりもたらされています。女子は初潮を迎えたり、体つきが丸みを帯びてきたり、男子はひげが生えたり、声変わりをしたりと、体の内部ではもっと急激な変化が起きているわけです。学校でも中学生と高校生の教室では、においや空気も違っています。
引用:文部科学省HP「女性のスポーツ参加促進事業」

身体の変化に合わせてこころも変化する(中学1年~2年生)

肉体が変化し、そこに順応しようと精神が急激に変化します。そのため、不安や苛立ちなどが生まれやすく、精神的に不安定になるのもこの時期の特徴です。子どもたちの変化の裏には、どんな理由があるのか見てみましょう。

★こんなことはありませんか?★
・無口になり、返事もしなくなる
・言葉使いが乱暴になり、反抗的なってきた
・部屋に引きこもる

自分の変化に子どもたちも戸惑い苛立っている

中学生になると、”何だか感じ悪い“と思える時が増えますね。それは、子どもたちが、自分の内面に目が向き始めている証拠です。中学1~2年生は「私っていったい何者?」という、これまで自分の中になかった感情に気づき始める時期です。

ちょっとしたことでイライラすることも

しかし、なかなか納得いく答えは見つからないわけですから、気持ちは晴れません。だから「なぜここ?」と思わぬところで突っかかってくることもあります。実は本人の中でも自分の在り方ついて悩んでいる見えない苛立ちがある時期なのです。

周りとの人間関係も意識し始め、今までなかった感情も生まれる

自分が大事なので、自分の気持ちにそぐわない人には反抗的になってきます。自分の気持ちにそぐわないことを言ってくるのは、だいたい身近な親や教員なので、態度は反抗的になります。また、「アイドルのように可愛くなりたい」「勉強ができる自分でいたい」など「…でありたい」が無数にでてきます。でも現実に目を向けると全くそうなっていない、そんな自意識と実態との差に悩み始めます。

自分の変化が言葉にできずに黙ってしまう

感情を言語化し、上手く伝えることも難しくなります。だから「しゃべらなくなったり」「乱暴な言葉に使いになったり」。友達とのやり取りも、言葉足らずゆえに行き違いが生まれ、いざこざが頻発します。昨日まで仲良くべたべたとしていた二人が、今日はそっぽを向いて、互いに悪口を言い合っていたり、中2頃まで、よく見かける風景です。そして、この時期がつらくて、学校に来られなくなってしまう人たちが出てきます。

★こんなことありませんか?★
・親には話さないことを友達には、話している。
・友達からのラインを気にして、何よりもまず反応している。

親から自立するための一歩を踏み出している

親に代わって自分を理解し、守ってくれる存在を求めていきます。それが友人たちです。仲間を作り、その仲間だけで通じる言葉を使い、笑いあい、時には、他の人たちの悪口を言い合うことで、絆を強めているように感じることがあります。
*絆を強めるためには、排他的であることをよしとし、仲間どうしの評価は強く意識するけれども、広く他者と意思疎通を図ることには意識が向かわない傾向もあります。このために仲間外れなどのいじめの要素も出てきやすくなります。

仲間との調和が一番大切な時期

特に中学1~2年生は、何をするのも数人で動いています。昼食のお弁当を取りに来る時も、2~3人で来ますが、持っていくのは1人だけ。あとの人たちは、お付き合いで来ているんですね。「こういうの辛い人もいるだろうな、でも居場所の確保のためにはしかないんだね。頑張れ!」という気持ちで眺めています。それが、高校生になる必要な時に1人でスーッときて、とっていきます。成長してゆくんだなーと思ってみています。

★こんなことありませんか?★
・さっきまで反抗的だったのに、急にべたべたしてきて戸惑ってしまう

一見矛盾した態度は、思春期によくみられる様子(両価性)

思春期は、子どもから大人へ成長してゆく時期、でも一足飛びに大人になれるわけではありません。親の羽の下にいる安心感、でも成長してきている感情は自立へと向かっている。親からの自立と親への依存の間で揺れる時期が、こうした矛盾する態度に現れてきます。

転機は中学3年生

「中2が一番大変」と、多くの教員は言います。なぜなら、中3、それも2学期ごろになると、学年の雰囲気が違ってくるのです。個人の成長には誤差がありますが、「なんだか手がかからなくなってきた、言葉が通じるようになってきたぞ」という感じ。ついこの間も中3の担任が「なんだか変わってきたんですよね。落ち着いてきたってゆうか。話が通じるようになってきました」と言っていました。お弁当を毎日渡している職員も「今まで表情がなかった生徒が、こちらを見て、ありがとうございますって言ってくれるようになったんです」と嬉しそうに報告してくれました。これも中3の3学期。男の子なら、やんちゃな感じが影を潜めてきます。私の息子の学年は、中2でいろいろ問題が起き大変でしたが、そこで吐き出したせいか、中3になるとガラッと変わり、全体が勉強に向いていきました。反抗や混乱は、エネルギーがあり、それが外に出てきているとも考えられますね。よく教員間では、「出すときに出した方がいいよね」とも言っています。中3の生徒に「中1の頃の自分って、どうだった?」と聞くと、「うーん、なんだかはっきり覚えていないんだよね」という答えを何度も聞きました。ほんの数年前のことですが、混沌としていて、自分自身でもよくわからないんですね。そりゃ周りもわからないはず。

中学1~2年生が、何だか扱いにくくなってきたのには、理由があることがお分かりいただけましたか?こうした心身の変化は、どの子にも共通して起こってきますので、親は戸惑っても仕方ないですね。後編では、こうした変化してゆく子どもたちに、どんなふうに対応していったらいいか、お伝えします。

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佐々木 伸子

みらぴか認定サポーター
大学卒業後は百貨店勤務。専業主婦の時代を経て、離婚をきっかけに35歳で教員に。以降、担任・学年主任・教頭などを経験し、多くの生徒・保護者の方の進路や親子関係について相談を受け、サポート行っている。定年後も事務長として、管理職・教員を支援する側になり、長く学校現場に関わっている。現在は再婚し、ステップファミリー(成人した子ども3人、孫5人)の母。

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