不登校経験者のその後。今に影響していること

不登校 経験 体験談

こんにちは。みらぴか認定サポーターをしている上田さや香です。
私は小学2年から小学6年までの5年間、不登校の時期を経験しました。
これまで、体験談として不登校になった当初の状態から復帰までの道のり、そして子ども視点で見た親のサポートについてシリーズでコラムを書いてきました。

お子さんが不登校になったとき、お子さんが自分の不登校経験をどう捉えるのか、
そして、不登校の経験が将来どう影響するのか気になりますよね。
シリーズ最後の今回は、私自身が不登校の経験をどう捉えているのか、そしてその後の価値観や進路にどう影響しているかについて、書きたいと思います。

不登校の経験=自分と真剣に向き合った経験

多くの人が学校に通い、規定された道を進む中で、私は5年間もの間、その枠組みから外れて過ごしました。不登校経験は決して他人には望まれることではありませんが、私にとって今の自分を作っている原体験になっています。

学校に行けなくなった自分がいて、学校に行っていない期間に体験したことがあって、その体験から得た「考え方」「価値観」があり今の自分を作っています。

そのため、不登校経験は私にとって「挫折経験」」「失敗した経験」ではなく、「自分と真剣に向き合った経験」だと捉えています。不登校に限らず、誰しもいろんな場面で人生との向き合い方を考えますよね。就職だったり退職だったり介護だったり大病をしたり……。
壁にぶつかるからこそ、自分と向き合う。そして向き合うからこそ新たな価値観や強みを手に入れることができるのではないでしょうか。

そして、その価値観や強みを言語化するシーンとして、進学や就職・転職時の面接があります。今振り返ると私はそのすべてのシーンで不登校の話をしていたことにこのコラムを書いて気づきました。自分が大切にしている考え方や価値観を話す上で、その原体験となった不登校経験が自然に繋がってくるからです。

不登校の経験は決してネガティブなものではなく、その経験から学ぶこと・得ることは多くあります。

不登校経験から得たもの①:自分を知り、受け入れ、可能性を見つけること

現代社会では、自分の本当の気持ちに気づくことができないことが、子どもも大人も多いように思います。目まぐるしく動いていく毎日の中で、周囲からの期待や「こうあるべき」という固定概念に縛られ、「~したい」や「こうありたい」という本心に気づけなることってありますよね。

しかし、不登校期間は「自分について考える」という時間がとても多くありました。
なにせ毎日時間があります。だからこそ「考える」ということが増えるのです。

毎日の生活の中で「なんでこれをやりたいと思ったんだろう」「なぜあの言葉にモヤモヤしたんだろう」、「~が気になるのはどうしてだろう」と、自分自身が何に興味や喜びを感じるのか、自分の好みや価値観は何かを深く探求する機会を得ました。

自分について考えることで、自分の強みや弱み、可能性を見つけることができます。
私の場合は、「人の話を聴くのが好き」「人の感情を想像するのが好き(得意)」といった強み・特徴や、かつての自分と同じように精神的に疲れや負担を感じている人に手を差し伸べられる自分でありたいという想いが、仕事に繋がっています。

不登校経験から得たもの②:「他者と同じであること」が成功や幸せの条件ではない

人と違う道を選んだからこそ、自分自身で考え、納得感のある選択をすることの大切さを学びました。

進路やライフイベントなどで、大多数の人が選ぶ道とは別の道を選択することは、少なからず不安がありますよね。例えば、進学や就職において一般的な選択とは異なる道を選ぶ場合や、結婚や転職、海外移住などのライフイベントにおいても同様です。これらの選択は一般的にはリスクが高く、周囲からの理解や支持を得ることが難しいことがあります。

不登校経験は私にとって初めての「人と違う道を進む」という経験であり、まさに周囲からの理解や支持を得ることが難しいものでした。しかし、これまでのコラムで綴ってきたように、学校に行っていない生活の中で体験できたことはどれも貴重なものだったという実体験が、大多数が選択する道であるかどうか以上に、自分の内なる声や信念を大切にし、自分の道を信じることが大切さを学びました。

「普通そうだから」
「みんながそうしているから」
「そういうものだから」 ではなく、

「私はどうしたいのか~なぜならば」という考えを、これまでの進学や就職、そしてライフイベントにおける選択において大切にしてきました。

これは後に特別養子縁組や地方移住といった大きな人生の決断をする際にも役立ちました。他者とは異なる選択をすることに対する恐れや不安を克服し、自分の道を自信を持って歩むことができたのは、不登校経験から得た貴重な宝物です。

最終的には、自分が幸せで満足できる道を選ぶことが重要です。少数派の道を選ぶことで得られる成果や満足感は、時に大多数と同じ道を選ぶことよりも大きいこともあります。自分の心に正直に、そして勇気を持って進むことが、自己実現や充実した人生の鍵となるでしょう。

まとめ

不登校は社会的な規範から外れることを意味しますが、この経験から得たものは大きく、子どもの力を信じ、自分の道を自信を持って歩むことの大切さを学び、他者とは異なる選択をすることに対する恐れを克服することができました。それはその後の進路選択はもちろん、自らの頭で考え動くことが求められる現代において仕事やプライベート様々なシーンで大切にしている考え方になっています。

お子さんが不登校になったとき、親にとっても予想外の出来事に戸惑い、「この先どうなるの?」と子どもの将来が不安になるかと思います。

お子さんへの接し方や学校との関わり方、そしてお子さんの将来など、専門家として情報提供させて頂きながら、親も子も納得感を持って前に進めるよう一緒に整理をしていきましょう。

ぜひご気軽にご相談ください。

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上田 さや香

みらぴか認定サポーター

大学で臨床心理学を学ぶ。「対話を通じて人の役に立ちたい」という軸をもとに人生のターニングポイントに携わりたいと気持ちから、ウェディングプランナーとしてキャリアをスタート。その後、大手人材紹介会社に勤務し、アドバイザーとして転職支援をはじめ、社員研修企画・講師を経験。独立後は、企業研修や社会人向けキャリアカウンセリングを中心に従事。これまでキャリア相談は約1,500件、研修講師は約6,000名を対象に実施。不妊治療や特別養子縁組で子どもを迎えた経験、さらには東京から長野への移住といったライフイベントを自身で経験し、「進路選択」や「仕事選び」という一つの側面だけでなく「生き方」という広義の意味で子どもとの関わり方や相談者の想いの整理をサポートを行っている。

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