子育てアカデミー

不登校 親の言葉

こんにちは、みらぴかキャリアサポーターの上田さや香です。
今でこそ私はみらぴかサポーターをしていますが、小学2年から小学6年までの5年間、不登校の時期がありました。今でも感謝しているのはその時の両親の向き合い方です。

親は、私が不登校になった期間の5年間と向き合ってくれました。当時の両親にはすごい長い時間だったと思います。今でこそ私も大学に行き、就職もして、親の立場になりました。でも、当時は未来の私はみえません。今思うと、当時は出口の見えないトンネルの中で悩んでいたのだと思います。

向き合うことも、受け入れることも決して容易なことではない中、不登校の私に安心できる生活環境と居場所を構築してくれました。だからこそ、今でも両親にとても感謝しています。

今、子どもが不登校になって悩んでいる方の中には、「どうすれば良いのか?」「子どもがこのまま学校に行けなかったらどうしよう」と不安や葛藤を抱えている方もいるかもしれません。私の両親も最初からすんなりと私が不登校になったことを受け入れたわけではありませんでした。

今回は私の親が子どもの不登校をどう受け入れることができたのか、子どもへの対応で意識していたことについて、両親から聞いた実際の話をもとにお話ししたいと思います。

子どもが不登校になった時の気持ち

不登校の予兆が出始めた時期

不登校になるお子さんの多くは、少しずつ学校を休みがちになったり、休むまではいかずとも悩みを抱えている節が見られるなど「不登校の予兆」があるかと思います。

私も不登校になる2か月程前から徐々に休みがちになっていました。それでも必死に行き続けようとしたのは「行けなくなることはダメなこと」と強く思っていたからです。どんなに辛くても、本当は心身共にもう限界、無理だと感じていても、学校に行けなくなるということはタブーという強い思い込みがあるからこそ、必死でくらいつこうとしていました。

そんな中、両親(特に母親)もまた、当時の私を見守りながらも
 ”日に日に笑顔が少なくなっていき、エネルギーがなくなっていくのを見ていられなかった”
 ”学校に必死で行き続けようとしている子どもに対して、どこまで黙って見守った方がよいか“
 “早く本人から「もう休む」と言ってほしかった”
子どもを気にかけながらさまざまな感情を抱えていたそうです。

また、母は私が不登校の予兆が出た際に辛そうな様子を見ながら「早く休ませてあげたい」と思う一方で、「不登校になったらその先どうなるのか」という不安もあり随分葛藤したそうです。

特に大きな不安は不登校をきっかけに社会に復帰できなくなってしまうことでした。今はずいぶん緩和されましたが「不登校」という言葉はマイナスを連想させる言葉ですよね。登校することが正しく、それができない人は間違っている。潜在的にそんなイメージが強い気がします。

学校は選択肢のひとつではあるけれど、たったひとつの選択肢ではない

私の両親は、さまざまな本や講演から情報を集め、不登校の当事者やその親の話を聞くことで「不登校になったその先」が未知ではなく想像ができる状態になったことが、不登校についての捉え方のターニングポイントになり、「行くも行かないも子どもの権利」と前向きに考えるようになったそうです。

その頃から私に対して「行かなくてもなんとかなるよ」と意識的に声をかけていたそうです。

学校というレールから外れたとき、その先の未来に不安を感じるのは親だけでなく、子ども自身も同様です。
その時に、先に情報収集をしている親から、「なんとかなる」と声をかけてもらえたことは、子どもの私にとっては安心材料になりました。それまでは、行かなければいけないという気持ちと行けないという気持ちの間で押しつぶされそうになり苦しんでいた私にとってはとても心が軽くなる言葉だったように思います。

「学校に行くことと学校に行かないこと、その二つに優劣はない」ということが、当時の親の声掛けにより小学生の私にも感覚的に理解ができたことで、学校を休む自分に対して少しでも前向きにとらえることができるのではないでしょうか。

不登校の子どものために親ができること

学校に行かないなら行かないなりの姿があるということを知る

私の両親は私が学校を休みがちになった頃から、不登校に関する情報を積極的に収集していたそうです。その中で特に影響を受けていたのが、不登校専門情報誌の購読です。不登校の当事者の声やさまざまな取り組み、フリースクールの情報などが掲載されており、それを通じて親は「学校に行かない生活」や「その先の未来」について具体的なイメージを得ることができたそうです。

親にとって子どもが学校に行かないという選択をする場面において、不安が押し寄せることは理解できます。
大多数が進む学校というレールから外れ、普通であれば経験したことない領域に進むことは、親にとっても大きな決断であり、その先に何が待っているのか気になることでしょう。

ただし、不登校という選択が示す先にはさまざまな生活や進路が存在します。みらぴかのコラムでも不登校専門カウンセラーの田中勝悟さんが不登校の進路選択における情を分かりやすくまとめてくれていますね。このような情報源を活用することで、未知の世界だったものが未知でなくなり、子どもも不安やストレスが軽減されていくのではないでしょうか。

不登校であったとしても失われるものばかりではなく、新たな経験や学び、個々のペースに合わせた学び方が可能だと私自身当事者として感じています。

(詳しくは「不登校時代の過ごし方と嬉しかった親の関わり方」をご覧くださいね。)

フリースクールや当事者同士の繋がりを持つこと

私の不登校をきっかけに、両親はフリースクールとの繋がりを持つようになりました。
親子でよく足を運んでおり、ここで出会った同世代の友達と定期的に遊ぶようになったことは、学校に通う同級生との交流がどうしても少なくなる中、とてもありがたい繋がりでした。

フリースクールには「親の会」として親同士の交流の場もあります。子どもの交友関係や勉強について、学校との連携や進路について等、ざっくばらんに話せる場があるのは、親にとって心強かったそうです。

子どもが安心して過ごすためには?

我が家は両親が不登校について関心を持ち、情報を集め、そして学校に行かないという選択について前向きに捉えてくれたことが、私が不登校に対して負い目を感じず、むしろ不登校の期間に自分の好奇心や探求心を存分に発揮することに繋がりました。

しかし、周囲からの見られ方は必ずしもすべてが肯定的であるとは限りません。
近所の人からは「まだ学校行ってないの?そんなに元気なら学校行かないとだめじゃない」と言われることや、同級生とばったり会うと「ずる休み」だと指さされることなども日常的にありました。

不登校について悪影響があると思われたのか、仲の良かった友達から「親からもう(私と)遊ばないようにと言われた」と直接言われ、避けられるようになることもありました。(時代的にまだまだ不登校についてのネガティブイメージが強かったのだと思います。)

実際は、どんなに親や本人が不登校について前向きに捉えることができても、周囲の大人や子ども全員に受け入れられることは難しいということです。だからこそ、家で修復ができるよう家庭内が安全基地になってくれることは子どもにとって大きな安心材料になります。

家庭が安全基地であることで、子どもは外部のストレスやプレッシャーによる評価に振り回されず、自分の価値を大切にし、自らの人生に対する選択肢を模索する勇気を持つことができます。家庭が安定し、愛と理解に満ちた場所になれば、子どもは心の安定を感じ、自らの可能性を広げることができると思っています。

まとめ

両親には当時の心境を振り返ってもらうと、不登校に関する捉え方や子どもへの接し方など、家庭内の方針を確立するまでには、情報を収集し、その情報に基づいた対話を繰り返して意見を調整していくプロセスがあったそうです。

子どもが何かしらの壁にぶつかったとき、その捉え方は両親それぞれ異なる可能性があります。夫婦であっても、育った環境や価値観が異なることから、子どもに対する支援やアプローチにおいても意見の相違は自然なことです。

ただし、子どもにとって重要なのは、両親の意見に一貫性があるかどうかです。これによって家庭内が安心できる環境に繋がると考えられます。

異なる意見が出たとしても、子どもの将来に関する選択肢やアプローチについて情報を集め、意見を伝え合い、考えを深めていくことが、より良いサポートに繋がるのだと思います。

これまで「不登校時代、親の対応で救われたこと」や「不登校時代の過ごし方と嬉しかった親の関わり方」についてさまざまなお話ししてきました。子どもが不登校になり「どうすれば良いのか?」、「このまま学校に行けなかったらどうしよう」と悩んでいる方々にとってこのコラムが、少しでも悩んでいる方の参考になったら嬉しいです。

子どもが不登校になり戸惑われている方も少なくないと思います。
また、今後もコラムを掲載していきますのでぜひ楽しみにしていてくださいね。

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上田 さや香

みらぴか認定サポーター
大学で臨床心理学を学ぶ。「対話を通じて人の役に立ちたい」という軸をもとに人生のターニングポイントに携わりたいと気持ちから、ウェディングプランナーとしてキャリアをスタート。その後、大手人材紹介会社に勤務し、アドバイザーとして転職支援をはじめ、社員研修企画・講師を経験。独立後は、企業研修や社会人向けキャリアカウンセリングを中心に従事。これまでキャリア相談は約1,500件、研修講師は約6,000名を対象に実施。不妊治療や特別養子縁組で子どもを迎えた経験、さらには東京から長野への移住といったライフイベントを自身で経験し、「進路選択」や「仕事選び」という一つの側面だけでなく「生き方」という広義の意味で子どもとの関わり方や相談者の想いの整理をサポートを行っている。

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