子育てアカデミー

昼夜逆転 不登校 ひきこもり

不登校専門心理カウンセラーの田中勝悟です。
不登校からひきこもってしまった場合、よく聞かれるものは「昼夜逆転」です。

昼夜逆転とは文字通り、夜ずっと起きていて、朝の6時くらいに眠り、そして夕方に起きて活動するという状態を指します。

で、夜は何をしているかというと、ゲームをしたり、絵を描いたり、動画を見たりして過ごしていることが多いですね。

親が「もう早く寝なさい」と言い続けていても、改善することはないばかりか、親との関りもシャットアウトしてしまい、部屋にひきこもってしまうようになることも多いです。

こうした昼夜逆転についてどのように対応していけば回復していくのかをお話したいと思います。

1.最初に押さえておきたい支援のポイント

まず最初に支援をしていく際に、一番大事な「順番」というのがあります。

それは、
「理解する」→「支援する」という順番です。

この順番を間違えると、どんな支援も逆効果となってしまいます。

例えば、私はカウンセラーですが、
「あ、この子は厳しく言った方がいいな」と判断したら、
「君はこのままではいけないよ。頑張って学校に行きなさい」
ということもあります。

また、ひきこもりの子に対して、
「まずは〇〇というフリースペースがあるからそこに行った方がいいよ」
という場合もあります。

でも、これを全ての不登校の子、ひきこもりの人に伝えることはしません。

逆に「今は自分の気持ちを落ち着けた方がいいから、
好きなことをして過ごした方がいいよ」
ということもあります。

このように私が子どもによって対応を変えるのは、
その子の特性や性格を理解しているためです。

しかし、不登校やひきこもり支援の現場では、
多くの支援者は、この理解をする前に、

「とりあえず、学校に行きなさい」
「朝早く起きる練習をしなさい」
「とりあえず見守りましょう」

と指示したり対応したりする傾向にあります。

これらの支援が失敗してしまう最大の要因であり、
私が時間をかけて「子どもを理解することから始めましょう」と
まず伝えることにしています。

<関連記事>
不登校からひきこもった子の支援(1)まずは理解すること
不登校からひきこもった子の支援(2)理解するための3つのステップ

2.なぜ昼夜逆転になるの?

先ほど理解することの大切さにお話ししました。
そのため、まずは「なぜ昼夜逆転するのか」という理由を理解しないといけないということになります。

そんな話をすると、「いやいや、遊びたいから夜起きているんでしょ?」と言う声が聞こえてきそうです。

じゃあ、こう聞いてみましょう。
「なぜ夜起きたいのでしょうか?別に遊ぶだけなら昼間でもいいじゃなの?」と

ここで理解するために大事な視点をお伝えしたいと思います。
実は、人の脳はメリットがあるものを選択するようにできています。
つまり、子どもにとってメリットがあるから夜ずっと起きて、朝寝ているという視点で考えることが大事なのです。

では何のために起きているのでしょうか?
それは日中起きている時間、学校に行っていないことへの罪悪感から逃れるためです。

ある不登校の子は「なってみたらいい!!すごく苦しいのがわかるから」と言っていたのですが、学校に行かない状態がずっと続くのは我々大人の想像以上に苦しいものです。

その苦しさから逃れるために、ある子はゲームに没頭し、何も考えないように過ごしています。そして昼間、友達は学校で勉強してたり、また朝はお父さんやお母さんが仕事へ行く準備で忙しくしている。
そんな状態にさらされると、学校に行かない自分に対して負い目を感じてしまいます。
でも学校に行けないし、どうしていいかわからない。

そうした心理状態に陥ると夜の時間がホッとするんですよね。
要は夜に居心地が良いと感じるんです。

また、人はストレスが高じると脳が活性化してしまい、睡眠作用を促すメラトニンの分泌が減少してしまいます。

その結果、夜にずっと起きていて朝寝てしまうという言う生活サイクルになっていきます。

改めてここで言いたいことは、昼夜逆転は好きでやっているんじゃなくて、子どもにとって苦しいから夜寝れなくなっている可能性があるということです。

「あ、この子は今すごく苦しいんだ」という視点を持つことで子どものことを理解することへの重要性をご理解いただけると思います。

3.間違った支援の仕方とは?

例えば、これらのやり方がなぜNGなのかお分かりでしょうか?

・ゲームを全部隠して、また夜はちゃんと寝るように見張って、朝になったら問答無用でたたき起こす。
・朝、無理やり散歩に連れていき、日光を浴びさせようとする。
・とにかく運動する時間を持たせるようにする。

それは「規則正しい生活をする」という表面だけを変えようとしているからです。
悲しいことに、このやり方は多くの人がやってしまいがちなのです。

昼夜逆転は「不登校である自分がしんどい」という心理状態から起こるため、表面のみを変えようとしても、却って精神状態は悪化してしまうのです。

その結果、子どもの精神状態が悪くなり、ついには親を拒絶し、ひきこもりになってしまいます。

じゃあ、どうすればいいんだ!?

という質問もあると思います。

この答えについては、次回の記事でお話をしたいと思います。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

次の記事はこちら「不登校からひきこもった子の支援(4)昼夜逆転を改善させるための3つのステップとは?」

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田中 勝悟

みらぴか認定サポーター
大学院卒業後、スクールカウンセラー、心療内科、児童相談所、貧困層の就労支援のアドバイザーなど多くの領域で経験を積む。その傍ら2019年4月に「カウンセリングルームはぴっと」を開設。またオンラインスクール「不登校の親の学び場」を開講。5,000件を超える豊富な臨床経験から適切な助言を行うことで多くの親の共感を得る。また、エニアグラムを活用した見立て力の高さには多くの支援者から定評がある。著書に「不登校はチャンス」がある。

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